◆世界陸上 第3日(15日、国立競技場)

 男子マラソンが国立競技場発着で行われ、日本歴代5位(2時間5分39秒)の近藤亮太(25)=三菱重工=が2時間10分53秒で11位と踏ん張った。32キロで一度は先頭集団から遅れたが、再び、先頭集団に食らいつく粘りを見せた。

2回目のマラソンながら頭脳的なレースを実行。コースを熟知し、カーブや曲がり角では最短コースを取り、大仕事をやってのけた。

 レース後は「20キロ過ぎからずっと足はつっていた。耳が割れそうな声援だった。自分に勝つことを課してゴールを目指した。感謝の気持ちでいっぱい。2回目のマラソンでここまで戦えたのは、マラソン人生始まったばかりなので、上を目指して頑張っていきたい」とコメント。「マラソンやるなら三菱重工」と所属のPRも忘れなかった。

 長崎県出身の近藤は島原高校から順大に入学。4年目に最初で最後の箱根駅伝に出場したが、10区で区間14位と活躍は出来なかった。それでも、努力に努力を重ね、世界で戦える選手に成長した。

 箱根駅伝10区のコースは一部だけ今回のマラソンコースと重複している。

名門、順大出身の25歳は箱根駅伝の理念「箱根から世界へ」を体現するために力を尽くした。

 パリ五輪男子マラソン日本代表(23位)の小山直城(29)=ホンダ=は2時間13分42秒でパリと同じく23位。

 日本歴代3位(2時間5分16秒)の吉田祐也(28)=GMOインターネットグループ=は25キロ手前で先頭集団から後れる苦しい展開で、2時間16分58秒で34位だった。

 優勝争いは歴史的な大接戦だった。タンザニアのシンブが2時間9分48秒で優勝。同タイム、着差ありの2位がペトロス(ドイツ)だった。

 レースは、定刻の午前7時30分に号砲が鳴ったが、約100メートルを走ったところで、まさかのスタートをやり直し。TBS解説の2000年シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さんも「見たことありません」と驚いた。

 審判からグリーンカードが示され、失格となる選手はなし。その後、無事にスタートした。

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