陸上男子800メートルの日本記録保持者・落合晃(こう、19)=駒大=が16日、世界陸上に初出場する。予選スタートは19時35分予定。

滋賀学園高を卒業し、駒大に進学。日本トップクラスの長距離の実業団選手も所属する大八木弘明総監督(67)が率いる少数精鋭チーム「Ggoat」で高いレベルの練習を積む。入学後、既に2度の海外合宿を経験するなど、さまざまな環境で鍛錬を重ねる落合の強さや成長を大八木総監督が語った。

 半年足らずで、超学生級のさまざまな経験を積んできた。落合は駒大入学前の3月から「Ggoat」の一員として、米国・アルバカーキで自身初の海外高地合宿。8月中旬から約3週間はスイス・サンモリッツで足を磨いた。チームには駒大OBの田沢廉(24)、鈴木芽吹(24)=ともにトヨタ自動車=、篠原倖太朗(23)=富士通=、駒大の佐藤圭汰(4年)ら日本トップ級の選手が所属。大八木総監督は「最初は緊張していましたけど、なじんできています。特に圭汰がかわいがっています」と笑顔で明かす。

 日本トップ選手たちの練習姿勢に刺激を受ける。練習内容の質の高さに初めは「本当に意味が分からないくらい」と苦笑いしていた落合だが、「長い距離にも少し取り組んでいるので、強化されている」と手応え。サンモリッツ合宿では「しっかりスタミナ面を強化していく」と、初の世界大会へ順調に仕上げてきた。

 駒大の800メートルと言えば、箱根駅伝初優勝時の2000年に監督を務めていた森本葵氏(享年81)が有名だ。1964年東京五輪で準決勝に進んでおり「準決勝までは行けるように頑張ってほしいね。できれば日本記録を狙いにいきたい」と大八木総監督。見えない“藤色のタスキ”をかけ、東京・国立競技場を力強く駆ける。(手島 莉子)

 ◆落合 晃(おちあい・こう)2006年8月17日、滋賀・高島市生まれ。19歳。今津中から陸上を始め、22年に滋賀学園高に進学。800メートルは2年時に全国高校総体で初優勝。3年時の24年4月に行われたU20アジア選手権優勝。同6月に日本選手権初制覇。同7月に全国高校総体で1分44秒80の日本新記録をマークし2連覇。同8月のU20世界選手権で銅メダル。

今年4月に駒大に進み、7月の日本選手権2連覇。165センチ。

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