◆世界陸上 第3日(15日、国立競技場)
男子マラソンが国立競技場発着で行われ、アルフォンスフェリックス・シンブ(35)=タンザニア=が2時間9分48秒で優勝した。同タイム、着差ありの2位がアマナル・ペトロス(30)=ドイツ=だった。
青学大出身の吉田を現在も指導している原晋監督(58)はレース終了後、国立競技場近くのアディダスハウスで行われたトークイベントに参加し、持論を展開した。
「今回、3人とも入賞できませんでしたが、日本人の男子選手が中長距離種目で世界と戦えるチャンスがあるのはマラソンしかありません。記録を争うレースでは厳しいが、暑い夏マラソンでは勝負できるチャンスはある。今回の日本代表3人は箱根駅伝では悔しい思いをしている。吉田は4年目で区間賞を獲得しましたが、4年目でやっと箱根駅伝に出られた。(順大出身の)近藤君も4年目で初めて箱根駅伝を走った。小山君は東農大ではチームで箱根駅伝に出場できず、関東学生連合で走りました。箱根駅伝には『箱根から世界へ』という理念があります。若い選手は、どんどんマラソンに挑戦してほしい」と力説した。
その中で唯一、例外として挙げた選手が、3000メートル障害で決勝に進出した三浦龍司(23)=スバル=だ。「三浦君だけはスペシャルな選手。3000メートル障害でメダルを狙えるでしょう」と期待を込めて話した。
34位だった吉田については「やはり見えないプレッシャーがあったのでしょう。実は8月上旬で疲労がピークだったとき『代表を辞退したい』と漏らしたこともありました。シューズでトラブルもありました。本人は一切、言い訳しません。最終責任は私にあります。彼を責めないでいただきたい」と神妙な表情で語った。今後については「どのレースに出場するか、などは白紙。今回の世界陸上を経験したことで国内の代表選考は通過できると思います」と期待を込めて話した。
原監督は16日には、チームが合宿を行っている新潟・妙高市に向かい、箱根駅伝3連覇に向けて選手を指導する。