◆世界陸上 第8日(20日、国立競技場)

  女子20キロ競歩で、6度目の代表となる33歳の岡田久美子(富士通)は、1時間30分12秒で18位だった。

 集大成と決めていたレース。

序盤から先頭集団からは遅れたが、粘り強く歩いて着実に順位を上げフィニッシュした。競技場に入る直前には沿道から「これまでありがとう」という声も耳にし、感極まった岡田は「もうやり切った気持ちで、本当に感謝しかない。藤井(菜々子)さんがメダルを取ってくれて私も続けてきてくれてよかったなと思いました。メダルとってくれて辞められると思いましたね」と感慨深そうに話した。

 ゴール後は銅メダルを取った藤井にメダルを首にかけられ「もう言葉がでないですね」と涙目になった。給水にはここまで二人三脚で歩いてくれた元選手で夫でもある森岡紘一朗コーチがいた。「予定よりペースが速かったけど、『このペースでいい』って言ってくれたのでそこを信じてそのペースでいきました。森岡さんがいなければここまでこられなかったと思うし、私のサポートは大変だったと思う。まずは少し休んでほしいという気持ちもありつつ、次の世代の選手に私の経験を通じてやってもらったらいいなと思います」と感謝の走りだった。

 2015年の初出場から6大会連続で代表入りで19年ドーハ大会では6位入賞した実力者。23年のブタペスト大会は腰椎ねんざで欠場する悔しさを味わったものの、フォームを改造するなどして復活。昨夏のパリ五輪では、川野将虎(旭化成)と組んだ混合団体で8位入賞。

長く日本女子の競歩陣をけんいんしてきた。「私自身、世界のトップで戦えるような素質があるかと聞かれるとそうではないですが、いろんな人に支えられて、ドーハでびっくり入賞もあったし、日本記録の更新もありました。本当にいろんな人の支えでここまでこられたな」とラストレースを涙ながらに振り返った。

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