◆世界陸上 第8日(20日、国立競技場)

 男子20キロ競歩で、世界記録保持者の山西利和(愛知製鋼)は1時間22分39秒で28位だった。今年2月に世界記録を樹立し、2大会ぶりの金メダルが期待されたが、約16キロで警告が3枚出て、2分間、ペナルティエリアに入ることに。

メダル争いから脱落した。レース後は「前半は注意が少なかったので、慢心があったかと思います。感覚と見え方が合ってなかったのかなと思います」と振り返った。

 序盤から冷静に先頭集団の前方でレースを進め、13キロは首位で通過。8人の集団の中で身を潜めながらスパートを伺い、15キロの給水地点で一気にペースを上げ、前に出た。攻めの歩きでグングンスピードを上げたが、そこで3枚目の警告が出た。

 レース後は日本陸連の谷井孝行競歩担当ディレクターが取材対応。「本当に、攻めた結果だと思います。攻めた中で、自分のパフォーマンスを出そうという、そういう結果だと思います」と絞り出すように話した。「強化の中で、もっといろいろなことをやってあげられれば良かったと、自分としても反省してます。次の強化につなげていきたい。メダルを目指すレースをしてくれましたし、真摯に取り組んでくれて、非常に頑張ってくれました」とうなずいた。

 山西は19年ドーハ世界陸上、22年オレゴン世界陸上で優勝。3連覇を狙った23年ブダペスト世界陸上はまさかの24位に沈み、昨年のパリ五輪は出場も逃した。それでも自身と向き合いながら地道に鍛練を重ね、苦手だった厚底シューズにも対応。今年2月、東京世界陸上の代表選考を兼ねた日本選手権(神戸)で1時間16分10秒の世界新記録で4大会ぶりに優勝し、勢いを持って大一番へ臨んでいた。

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