9月20日の中山9R・カンナS(2歳オープン、芝1200メートル=13頭立て)は、9番人気のウチュウノセカイ(牡2歳、美浦・青木孝文厩舎、父タワーオブロンドン)が2番手から危なげなく抜け出して快勝した。勝ち時計は1分8秒2(良)。

 スッと好位2番手につけると、直線でも勢いは衰えず2着ユウファラオに2馬身差をつけてゴール。前走ずすらん賞7着から鮮やかに巻き返した。原優介騎手は「スタートセンスがズバ抜けていて、難なくポジションを取ることができた。坂を上りきることが課題だったが、ペースも良かったし、調教でバランスを起こすことをやっていたので、結果が出て、素直にうれしい。ダートを含めて先々が楽しみ」と発馬センスを絶賛。

 このレースでJRA通算100勝を達成した青木孝文調教師は「厩舎内でもスタートセンスはトップクラス。前走の敗戦をこれで払拭(ふっしょく)してくれた。ムチムチしているのでダートも合うと思う」と次走は兵庫ジュニアグランプリ・Jpn2(11月27日、園田競馬場・ダート1400メートル)を視野に入れる。

 青木調教師自身が名付けた母のリッチクレマチスは、同厩舎所属で2勝。母の初子がウチュウノセカイと思い入れの血統での勝利だった。「全部の勝利がうれしいけど、こういう馬で勝てるのはよりうれしいね」。記録にも記憶にも残るメモリアルVに笑顔があふれた。

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