松竹は20日、歌舞伎俳優の片岡仁左衛門が、21日の歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」(24日千秋楽)「通し狂言 菅原伝授手習鑑」昼の部「筆法伝授」「道明寺」を体調不良で休演すると発表した。

 81歳の人間国宝、仁左衛門は2日の初日から当たり役の菅丞相(かんしょうじょう、菅原道真)を演じている。

事前の取材会では、菅丞相役について「演じている、という意識が少しでも残っているようではいけないんです。最初のころは腕を組んで目をつむって祈るような気持ちでやっていたんです。それが、そういう気持ちを全部捨てて自分の置かれた立場に立ち向かう。情に走っていた部分をポンと切り替えて。本来の皆から信頼された人物として堂々と歩んでいく。でもこれも、『そうしよう』と突然変わったのではなく、自然とそうなっていったんですね」と説明していた。

 20日の公演を見た観客によると、「筆法伝授」で足元がよろける場面があり、体調が心配されていた。

 今回の公演はAプロ・Bプロと二通りの配役で上演されており、代役はBプロで菅丞相を演じている松本幸四郎が勤める。「筆法伝授」のAプロで幸四郎が演じている武部源蔵は、市川染五郎が代役する。

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