◆陸上  静岡県高校新人大会 第2日(21日・草薙総合運動場陸上競技場)

 男子400メートル障害で榎本ジョシュア(浜松開誠館2年)が52秒95をマークし、従来の大会記録(53秒26)を20年ぶりに更新し、初優勝を飾った。

 追い風に乗ってホームを駆け抜けた。

男子400メートル障害で榎本が、自己ベストの53秒56を0秒61も上回る大会新で初Vだ。「記録は意識してなかったけど、52秒台は出したかった」。2005年に三浦祐矢(吉原商、現富士市立)がマークした大会記録を20年ぶりに塗り替えた。

 余力を残しながら走った予選。「300メートルを全力で残り100メートルは軽く流した」。唯一、54秒台で1位突破した。決勝はほぼ想定通りの走りを見せた。「ハードル間は15歩が目標で、9台目だけ17歩だったけど、ほかは15歩で行けた」。2位に1秒48の大差をつけて県王者に輝いた。

 今春は故障に泣いた。シーズンイン直後に左太もも裏を肉離れ。その後は、右アキレス腱(けん)を痛めるなど相次ぐけがで総体の個人種目を棒に振った。

夏ごろから本格復帰して着実に、成長曲線を描いている。

 両親がブラジル生まれの日系人で、ジョシュアは浜松市で生まれたという。中1から陸上を始め、400メートル障害に転向したのは昨秋から。東京で開催されていた世界陸上の同種目を優勝した米国代表のライ・ベンジャミン(28)にあこがれる男は、パリ五輪を制したシーンなど過去の動画を見て研究。自らのハードリングに生かしている。

 新チームから部長に任命された。歴代部長の名前が書かれたしゃもじを手渡され、より一層、責任感が芽生えた。「これまでの部長は全員、全国総体に出場していると聞かされた。来夏の総体入賞が最低ライン。できれば、優勝したい」。大きな野望を抱く185センチの大型ハードラーが、さらに研さんを積む。(塩沢 武士)

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