自民党総裁選は22日、告示された。小林鷹之元経済安保担当相(50)、茂木敏充前幹事長(69)、林芳正官房長官(64)、高市早苗前経済安保相(64)、小泉進次郎農相(44)の5人(届け出順)が立候補届け出を行った。

直後に党本部で行われた所信演説会では、有力候補とされるうち、高市氏が奈良時代の歌人・大伴家持の和歌を詠み上げ、独自感を前面に出すパフォーマンスを行った。(樋口 智城)

 「高市早苗、奈良の女です。大和の国で育ちました」。4番目に登場した高市氏は、そう前置きすると、突然、和歌を吟じ始めた。

 「高円の 秋野の上の 朝霧に 妻呼ぶ雄鹿 出で立つらむか」。万葉集の編さん者として知られる家持の歌を「愛する雌鹿を呼んで、雄鹿がすっと立った光景が目に浮かんでくる。1300年も前から奈良には鹿がいて、歌になっていた」と穏やかに説明。だが、次の言葉で口調は一変した。

 「そんな奈良の鹿を外国から観光に来て蹴り上げるとんでもない人がいます。行き過ぎと思いませんか?」。和歌に引っかけ、外国人問題を取り上げる戦術。「世界からの観光客、うれしいことです。

外国からの働き手に補ってもらわなければいけないのも確か。だとしても政策はゆっくり進めていかなあきません」と主張した。

 19日の出馬会見では全体的に控えめで薄口だったのが一変。コテコテの関西弁を駆使し、外国人問題以外にも出馬会見で強調しなかった事柄を主張した。「昨日は亡き安倍元首相の誕生日でしたね」と後継をアピール。「内閣、執行部の作り方については驚いていただきます。北欧の国に比べても劣らないほど女性がたくさんいるものを作る」と女性活躍にも言及した。

 さらに坂本龍馬の言葉も引用し「『日本をいま一度、洗濯致し申し候』。高市早苗、これをいただきます」と、党や政府の大刷新を示唆。告示日初日からいきなりギアをトップに入れ、勝利を目指す。

◆自民党総裁選・候補(順不同)

・高市早苗

・林芳正

・茂木敏充

・小林鷹之

・小泉進次郎

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