自民党総裁選は22日、告示された。小林鷹之元経済安保担当相(50)、茂木敏充前幹事長(69)、林芳正官房長官(64)、高市早苗前経済安保相(64)、小泉進次郎農相(44)の5人(届け出順)が立候補届け出を行った。

直後に党本部で行われた所信演説会では、有力候補とされるうち、高市氏が奈良時代の歌人・大伴家持の和歌を詠み上げ、独自感を前面に出すパフォーマンス。小泉氏は他の4候補を「自民に必要な人材」と語り、独自感を封印する安全運転を続けた。(樋口 智城)

 高市氏の後、最後に所信表明を行った小泉氏は「自民党を立て直す」などと述べ、20日の出馬会見とほぼ変わらない内容。高市氏とは対照的な演説となった。

 また、「それぞれの分野の第一人者がいる」と、茂木氏、林氏、小林氏も含めたライバル候補のそれぞれが得意な政策を列挙。「誰が総裁になっても、みんなで国民のために汗をかく。自民党が一つにまとまれるように全身全霊を尽くす」と党内団結を強調した。

 一方で党内人気をアピールする姿も。演説会直前に、国会内で行った出陣式で、「エイエイオー」を3連発して気勢を上げた際に、小泉氏を囲んだのは菅義偉元首相に加え、前回の総裁選に立候補した加藤勝信氏、河野太郎氏ら重鎮ばかり。前回の議員票(75票)を上回る92人(代理含む)の国会議員が集まり、今回も議員票は盤石とされている。

 スピーチでは「投開票日、朝から県連の地方票の速報が届きます。これもダメか、これもダメか…。

仲間のみなさんにどれだけ申し訳ないと思ったか」と昨年の総裁選で党員票の少なさに苦労したエピソードを生々しく披露。今回も選挙期間中は「世間の批判を受けないスピーチ」を心がける日々が続きそうだ。

◆自民党総裁選・候補(順不同)

・高市早苗

・林芳正

・茂木敏充

・小林鷹之

・小泉進次郎

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