7日に閉幕した全米の車いすテニス男子シングルスで、史上3人目の生涯ゴールデンスラム(4大大会全制覇とパラリンピック金メダル)の快挙を達成した世界王者、小田凱人(東海理化)が、27日に開幕する男子車いすテニスのツアー公式戦、木下グループ・ジャパン・オープン(東京・有明)に凱旋(がいせん)する。
開幕を前にした22日、小田は都内で取材に応じ、同大会では「まず最速サーブは出したい」と宣言だ。
小田の圧勝が予想されるため、「ただ勝つだけじゃおもしろくない」。常々、「多くの人を驚かせたい」と話しているだけに、どれだけ小田が、訪れる観客を盛り上げられるかにかかる。
小田の過去の自身の最速サーブは、2024年全豪で記録した時速174キロだという。「200キロは超えたい」と話すが、一般でも時速200キロを超えれば速い。
車いすテニスは、背の高さを利用できず、サーブは打ち上げになる。足のバネも使えず、スピードを上げられない。そこでの時速200キロのサーブは、至難の業だが、そこは「歴史に名を刻みたい」という小田だ。有明で、不可能を可能にする。