◆スプリンターズS追い切り(24日・栗東トレセン)

 秋G1開幕戦の第59回スプリンターズS(28日、中山)の追い切りが24日、各地で行われた。「考察」を担当するヤマタケ(山本武志)記者は、連覇を目指すルガルに注目した。

 昨年は◎ルガルで3連単29万円超の馬券を的中。決断の大きな決め手は、力強さがみなぎる1週前追い切りだった。栗東・坂路で50秒9―11秒7の優秀な時計に加え、ラスト1ハロンで西村淳がしっかり追うと、明らかにギアを上げたような伸び脚が脳裏に焼き付いていた。

 今年も1週前に注目していた。坂路の時計は昨年と大きく変わらない51秒0―11秒9だが、川田が軽く促した程度で瞬時に加速。昨年のような荒々しさはなく、闘争心を内包したような動きの滑らかさに目を奪われた。「昨年とは過程も違いますから」と杉山晴調教師。昨年は骨折明けでぶっつけを余儀なくされたため、1週前に強めの負荷をかける“スパイス”が必要だったと思う。今年は前走後から狙い澄ました一戦。リズム重視で、適度に負荷もかける理想的な1週前追い切りだった。

 24日の坂路での最終追い切り(全体は55秒2)は前半2ハロン16秒4、14秒6の非常に遅いラップ。それでも折り合えていたことはラスト1ハロンで伸びやかなフットワークを繰り出し、この日最速の11秒6が出たことが物語っている。

「今年の高松宮記念の時はムキになり過ぎていた面がありますが、今回は余裕がありますね」とトレーナー。連覇を狙う調整過程には昨年以上の順調度と成長が詰まっている。(山本 武志)

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