兄弟デュオ「ビリー・バンバン」で活躍したミュージシャンの菅原孝(すがわら・たかし)さんが11日午後4時34分、肺炎のため、都内の病院で死去した。所属事務所が24日、発表した。
優しい歌声と、弟・進との兄弟ならではの息の合ったハーモニーで人気を博した孝さんが旅立った。所属事務所の関係者によると、最後の仕事は昨年4月、「いいちこ」CMソングの「いつか虹の向こうへ」を収録。コーラスの途中に「これを入れたいんだ」とフランス語で語りを入れるほど元気な様子だったという。
昨年末に体調不良で入院し「当初はしゃべることもできた」(同関係者)というが、今年に入って悪化。最後は肺炎により帰らぬ人となった。今月19日に行われた葬儀では、息子・弾二郎さんがギターを演奏し、進が代表曲「白いブランコ」を歌唱。参列者の涙を誘った。
1966年に進が結成したバンドに参加。
76年、お互いの考えの違いから一時解散。音楽活動を続ける進に対し、孝さんは明るい性格を生かして司会者の道へ。「ハッピーリビング」(テレビ埼玉)など、テレビ番組MCやラジオパーソナリティー、イベントでも活躍した。84年、復活を望むファンの声に応えて再結成。87年から麦焼酎「いいちこ」CMソングを手掛け、2007年のCMソング「また君に恋してる」は、09年に坂本冬美(58)がカバーして大ヒットした。
節目の年に兄弟そろって病魔に襲われた。デビュー45周年の14年。5月に進が大腸がんの手術。7月には、孝さんが母の介護のために訪れた東京都国立市の実家で脳出血を患った。
テレビ番組などで不仲をネタにすることはあったが、「世界で最も長く活動を続ける兄弟デュオ」としてギネス世界記録に申請されたことも。進も「兄貴あってのビリー・バンバン」と公言していた。14年に孝さんが倒れた際、病み上がりの進が報道陣の前で病状を説明した。復帰後も孝さんの車いすを押すなど献身的にサポートし、最後まで兄弟の絆の強さを見せていた。