女優・吉永小百合(80)が24日、東京国際フォーラムで行われた主演映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」(10月31日公開、阪本順治監督)の完成披露試写会で舞台あいさつした。
「てっぺん―」は吉永の124本目の映画出演作で、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子さん(2016年死去、享年77)の成功と苦悩が描かれる。
邦画界の女優の“てっぺん”に立つ吉永。この日を迎え、何度も涙ぐみ、こらえようと口を一文字にする場面も。田部井さんと実際に会って話したときを改めて振り返り「明るく力と決断力がすごい人。こんなふうに生きられたら。私は山登りはあまりできないけれど、一歩一歩、前を向いて歩いていきたい」と人生に大きな影響を与えた人物であることを強調した。
ステージ上に設置されたエベレストの大看板が目に入ると「この頂に田部井さんは立ったんだな」との思いを新たに。スペインでは「上映後は(観客に)360度囲まれた。『山登りを通して人生が描かれている』と言われたのが印象的だった」と阪本監督。そしてオーストリアの世界的な女性登山家ゲルリンデ・カルテンブルンナー氏から、田部井さんの映画をつくってほしいと思っていたのでうれしい、と感激されたという。
この報告を受けた吉永は「本当は…」と切り出し、「アメリカが作ろうとしたんですね。
天海祐希は「親友以上に力強い存在」 天海祐希(58)は、吉永と2009年の「最高の人生の見つけ方」以来、6年ぶり3度目の共演。純子(吉永)の登山仲間で新聞社に勤める親友の悦子を演じた。
厚い信頼で結ばれる2人。吉永は「天海さんに出演していただいて感謝、感謝です。親友以上に力強い存在。またチャンスがあったらご一緒させてください」とラブコール。すると天海は「泣いちゃうからやめてください」と涙ぐみ、「3回もご一緒させていただいて、こんなにありがたいことはない。
純子の青年期を演じた、のん(32)は、クランクアップの富山ロケに吉永がサプライズで駆けつけたエピソードを披露。「吉永さんがお一人でいらっしゃって、現場のテンションが上がって、かっこいいと思って感動しました。頂いたチョコレートが格別においしくて、本当に幸せでした」と感謝した。
撮影ではキャスト、スタッフだけでなく、エキストラにも助けられた。純子の長女・教恵役の木村文乃(37)は、想定した3倍のエキストラが集まったことに触れ、「吉永さんの映画ということで、たくさんの方がいらっしゃった。『私たちのお母さん(吉永)やるでしょ』と思って、娘の気持ちになれた」と声を弾ませた。