◆明治安田J1第32節 清水1―2神戸(27日・ノエスタ)

 清水エスパルスはアウェーで神戸に1―2で逆転負けを喫した。前半40分、左クロスに反応したMF小塚和季の今季初ゴールで先制。

だが後半はリーグ2位の強敵に徹底して押し込まれ、同20分に同点被弾。連続無失点は3試合で途切れた。さらに同アディショナルタイム(AT)に痛恨の2点目を失い万事休した。黒星は6試合ぶり。次は10月4日、ホームでFC東京と対戦する。

 残り数分、耐え切れなかった。後半AT2分、清水はロングボールの処理を最終ラインがミス。クロスから決勝点を流し込まれ、勝ち点1は手中からスルリとこぼれた。それでも秋葉忠宏監督(49)は「自分たちからアクションを起こす素晴らしいゲームだった。前半のようなフットボールを90分できるレベルに持っていけるようにしたい」と前向きに振り返った。

 前半は新たなオプションが機能した。前節(23日)の浦和戦から中3日。

指揮官は先発4人を入れ替え、MF乾貴士とMF小塚の“ファンタジスタコンビ”を今季初めて同時にスタメンで起用した。「プレースタイルは違うけどお互いを意識できた」と小塚。前半40分、中盤でのボール奪取からつなぎ、乾のパスを左サイドのMF山原怜音が折り返す。中央に走り込んだ小塚が右ワンタッチで仕留めた。

 今季、韓国・ソウルイーランドから加入した背番号8にとってこれが移籍1号。J1での得点は大分に在籍した20年9月27日の鹿島戦以来、ちょうど5年ぶりとなった。実力は誰もが認めるが、今季は春季キャンプから度重なるけがで何度も離脱しており、この日も後半15分で交代。「もっとコンディションを上げて長い時間プレーしたい」と先を見据えた。

 試合運びには課題が残った。前半は互角に渡り合うも後半途中から息切れ。ロングボールに手を焼き、押し込まれるシーンが続いた。同20分、こぼれ球を拾われ、ゴール前に送られた浮き球をヘディングで押し込まれ失点。

FW北川航也、FWアルフレド・ステファンスらが投入されたが2点目は遠く、後半のシュート数は4―15と流れを変えられなかった。それでも「こういう試合は未来につながる」と秋葉監督は必死に顔を上げた。順位は11位で変わらず次は10月4日にFC東京戦。残り6試合、もがきながら少しでも前進していくしかない。

(武藤 瑞基)

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