東京六大学野球秋季リーグ戦第3週第3日▽早大3-2立大(29日・神宮)

 早大が立大に3-2で逃げ切り、2勝1敗で勝ち点を2に伸ばした。今秋ドラフト上位候補の最速152キロ右腕・伊藤樹(4年=仙台育英)が8回2失点、9Kの好投。

打っても先制犠飛&ダメ押し適時打と2打点の活躍で、小宮山悟監督(60)が現役時代にマークした通算20勝(10敗)を超える、通算21勝目(4敗)を挙げた。

 会見場に小宮山監督のジョークが響いた。「投打のヒーロー、1人ずつね!」。呼ばれたのは伊藤1人だけ。投げて打って、ワンマンショーで“小宮山超え”を果たした。エースは「チームのために勝ちがつかなくても、役割は長い回をゼロで抑えること。その結果かなと思います」と語った。

 この日、直球の最速は149キロ。4回1死満塁では先制の右犠飛を放った。2点リードの8回2死三塁では中前適時打でリードを広げた。8回7安打2失点、9Kの力投。師匠超えに「早稲田を背負って投げてきた結果が、自分の成長につながっている。

3年時にエースナンバーをいただいたことが全て」と感謝した。

 小宮山監督も「地位が人を築くということ。もうすぐドラフトがありますけど、どこのチームに出しても恥ずかしくない」と太鼓判だ。巨人は6人態勢で視察。水野編成本部長代理は「投球術があり、緩急自在なピッチングでレベルの高い投手」と称賛した。大学ラストシーズン。天皇杯と進路の両面で注目が集まる。その右腕で、ともに実りの秋にする。(加藤 弘士)

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