◆米大リーグ マリナーズ3―5ドジャース(27日、米ワシントン州シアトル=Tモバイルパーク)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が27日(日本時間28日)、敵地・マリナーズ戦を欠場した。父親リスト入りした4月の2戦を含め、今季4度目。
大谷の2連覇への強い思いが上回った。試合開始の約3時間前に球団がスタメンを発表。指定席の1番に「OHTANI」の名前はなかった。現在、54発で01~03年のA・ロドリゲス(レンジャーズ)以来8人目となる3年連続本塁打王へシュワバーとは2本差。逆転するには1打席でも多く立ちたいところだが、個人の名誉よりチームの世界一を優先した。
ロバーツ監督は試合前、いきさつを明かした。大谷に休養が必要かを問うと「彼は『それはあなたの判断です』と言った」と一任された。右足首の状態が万全でないエドマンをDHで起用したい首脳陣の思いもあり、大谷は欠場を受け入れた。「彼(翔平)はチームメートで打席が必要な人がいるかを気にしていた」と指揮官。3日後の30日(日本時間10月1日)から始まるPSへ向け、チーム事情を優先させた。
これまで多くの個人記録をつかんだ大谷だが、個人のタイトルに意欲を示すコメントを残したことはない。記憶に新しいのは、16日のフィリーズ戦。シュワバーの目の前でアーチを放ったが、本塁打王争いには「全然何も感じていない」と言い切った。PSに縁のなかったエンゼルス時代から一貫して、大谷の最大のモチベーションは「チームが勝つこと」だ。
この日の試合前はイチロー氏にあいさつに向かって約3分間談笑。その後ブルペン入りすると、約200人のファンが見つめる中、33球を投げた。途中からはスミスが打席に立ち、クイックで投げるなどより実戦的な投球練習。PSのワイルドカードシリーズではスネル、山本に続いて第3戦の登板が有力視される。
レギュラーシーズン最終戦の28日(同29日)は出場する見込み。今季は1試合2発が4度あり、シュワバーが不発なら2発を放てば追いつき、昨季9月19日以来の1戦3発なら一気に逆転する。試合前にはいつもより笑顔も多く、リラックスした雰囲気を見せた大谷。今季4度目の欠場を前向きに捉え、リスタートを切る。