◆JERA セ・リーグ DeNA5―4人(26日・横浜)
3位の巨人は2位のDeNAに敗れ、ゲーム差は3・5に広がった。頼みの先発・山崎伊織投手(26)が4失点を喫し、今季最短の3回で降板。
絶対に負けられない大事な試合で自滅した。1点を追う9回無死一、二塁。5番に入っていた投手の田中瑛の代打・増田大がバント失敗した。捕手の前に転がすも三塁封殺。攻守で詰めの甘さが目立ったこの試合を象徴するような場面だった。後続も倒れ、CS本拠地開催の2位が遠のく痛恨の敗戦。阿部監督は「こういう細かいミスだらけで勝てるわけないよね。こうなっちゃうよね」と嘆いた。
7回の攻防が勝負の分岐点になった。無死一塁、オコエが初球バントでファウルにすると、一塁走者の岸田に代走・佐々木を起用。「5番・捕手」で2安打の扇の要を代えてまで勝負に出た。だが、続く2球目でバスターエンドランを仕掛けるも空振りで盗塁死。果敢に動くも裏目に出た。
直後の守備。無死一、二塁から山本の痛烈な右前安打で右翼・オコエが「(一塁走者の)オースティンが走っていない(スタートが遅れた)のが見えたので狙った」と思い切って二塁封殺を狙った。だが、送球はマウンド方向に引っかける形となり、遊撃・泉口は捕球できず、三塁・岡本が慌てて飛びつくも届かず、白球は三本間を越えて三塁ファウルグラウンドのフェンスまで到達。この悪送球の間に二塁走者が生還し、決勝の適時失策となった。
2・5差で追う2位・DeNAとの直接対決2連戦初戦。逆転2位で本拠地でのCS開催をつかむために必勝を掲げて臨んだはずだった。14勝の相手先発・東から5回までに4得点は収穫だったが「それでも勝てなきゃ意味ないから」と阿部監督。
3連敗で借金2となり、残り4試合。27日の同カードに負けか引き分けで3位が確定する。2位の望みをつなぐには勝つしかない。その上で28日以降の3試合を全勝、DeNAが3戦全敗が条件と、極めて厳しい状況に追い込まれたが、可能性がゼロになったわけではない。「明日ですよ」と前を向いた阿部監督。DeNAとは必ずCS第1ステージで対戦するだけに意地を見せたい。まだ首の皮一枚残っている。(片岡 優帆)