◆米大リーグ ダイヤモンドバックス5×―4ドジャース(23日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が23日(日本時間24日)、敵地・Dバックス戦に「1番・投手、DH」でフル出場。米通算100試合目の登板という節目のマウンドで、今季最長の6回、同最多91球で5安打無失点8奪三振。
球場中に大谷の絶叫が響いた。23年9月の右肘手術から復帰後初めて上がった6回のマウンド。2死一塁で3番キャロルを迎えると1球ごとに「オリャ!」と気迫があふれた。左前打を許し、この日初めて得点圏に走者を背負ったが、モレノを中飛でピンチ脱出。節目のメジャー通算100登板を今季最長の6回5安打無失点8奪三振で飾った。
「去年(11月に左)肩の手術があったので、(今年の)前半は投げられず、リハビリのプロセスは遅れ気味でしたけど、ポストシーズン(PS)を前に最終的な段階を踏めたので、そこは十分に満足しています」
1点リードの3回先頭。トーマスの打球がグラブの土手付近に当たり、投手強襲の内野安打となった。しかし、8イニングぶりの被安打にも動揺はなく、後続を3者連続K。4回1死ではキャロルをこの日最速の101・2マイル(約162・9キロ)直球で見逃し三振に仕留めるなど圧倒した。16回2/3連続無失点の無双状態でレギュラーシーズン最終登板を終えた。
当初の計画では「今年は5回くらいをメドに、最後まで投げられればリハビリとしてはOK」だった。しかし、チームは救援陣が火の車。「(ロバーツ監督らと)昨日ミーティングをして、球数100球はないかなとは言ってましたけど、6回まで行けるのであれば行きたい」とプランの変更を直訴した。今季最多の91球。見事に100球以内で任務を遂行した。
打者としては6回に四球を選んで今季最長の27試合連続出塁したが、連続安打は9試合でストップ。本塁打王争いではこの日1発を放ち54号としたシュワバー(フィリーズ)に一歩先行を許した。ただ、投手としては2勝目が消えるも最高の働きを見せ、ロバーツ監督は「翔平は素晴らしかった。全てを出し切ってくれた」とたたえた。
次回登板は30日(同10月1日)から始まるワイルドカードシリーズが濃厚。指揮官は「(登板日は)まだ分からない」としつつ「最初のシリーズで投げる可能性は高い」と説明した。中6日で初戦に先発する可能性もあるが、本人は「どういうシチュエーションでもしっかり準備をして対応したい」。
◆大谷に聞く ―敵地ながら本拠地のような歓声だった。
「すごく心強いですし、投げる時(の攻撃中)は基本(ベンチの)裏にいるので、アウトなのか、ヒットなのかなというのが分かりづらいですけど、それくらいドジャースのファンの方の応援が印象的だったなと思います」
―6回2死一、二塁からモレノを中飛に仕留めた最後の球は納得がいっていない様子だった。
「投げてはいけない(甘いコースの)球ですし、三振を取るべきシチュエーションだと思うので、結果的にアウトになりましたけど、そこは一つ反省点かなと思います」
―カーショーが現役引退。
「僕がこっちに来る前からメジャーを代表する投手でしたし、そういう選手と一緒にプレーできることはなかなかないと思うので、去年、今年と短い期間ではありましたけど、チームメートとしてクラブハウスで一緒に過ごせたというのはすごく貴重な経験だったと思います」