阪神・原口文仁内野手(33)が、今季限りでの現役引退を決断したことが28日、分かった。帝京高から09年ドラフト6位で入団。
不屈の精神で駆け抜けたプロ野球人生だった。腰など度重なる故障で12年オフに育成契約。それでも金本政権1年目の16年に支配下に再登録され、同年に107試合出場で打率2割9分9厘、11本塁打、46打点とキャリアハイの成績を残した。19年1月には進行程度「ステージ3b」の大腸がんの手術を受け、同年6月に復帰。奇跡の復活だった。
23年のリーグ優勝時は代打で54試合に出場。チームの円陣の掛け声「バモス」(さあ行こう)で仲間たちを一つにまとめた。昨オフ国内FA権を行使した上で残留し、迎えた今季も変わらぬ熱い思いで野球と向き合ってきたが、現役生活にピリオドを打つと決めた。社会貢献活動を含め、球団は功労者として高く評価しており、引退セレモニー等を検討している模様だ。
◆原口文仁(はらぐち・ふみひと)1992年3月3日、埼玉県生まれ。33歳。帝京高3年時に夏の甲子園8強。2009年ドラフト6位で阪神入団。1軍出場がないまま12年オフから育成選手。16年4月、再び支配下選手に。18年は代打で球団最多タイのシーズン23安打。19年1月に大腸がん公表。通算563試合出場で打率2割6分9厘、29本塁打、152打点。182センチ、97キロ。右投右打。今季年俸4000万円(推定)。