◆東京六大学野球秋季リーグ戦第3週第3日▽早大3-2立大(29日・神宮)
早大が立大に3-2で逃げ切り、2勝1敗で勝ち点を2に伸ばした。今秋ドラフト上位候補の最速152キロ右腕・伊藤樹(4年=仙台育英)が8回2失点、9Kの好投。
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小宮山監督は伊藤が自身の20勝を超えたことに「何~ッ!」と笑わせた後、エースの足跡を振り返った。
「入学から携わっているピッチャー。『よくぞここまで』という感じです。『地位が人を築く』。そういうことだと思います。高校3年生の時から大学の4年間をイメージしながら、どうすればいいだろうと考えながら、グラウンドで細かなアドバイスはほとんどせず、そうなるように仕向けるというかね。そういう感じの指導で、本当にまっすぐ育ってくれました。もうすぐドラフトがありますけど、どこのチームに出しても恥ずかしくない。そういうピッチャーになっていたと思います」
抜群の制球力で堂々と神宮のマウンドに君臨する伊藤のたたずまいからは、小宮山監督の学生時代に似ている-との声もある。
「僕は(当時の監督である)石井連蔵に叩き込まれたものを、そっくりそのまま樹には伝えているつもりでいます。物の考え方も含めて、何をどうすればいいというところまで考え方が浸透しているのであれば、見る人が見たら『似ている』という表現になるんでしょう。
4連覇に挑むシーズン。10月4日からは法大戦に臨む。
「次の法政戦も、今日のような感じの投球をしてくれるでしょう」と指揮官。師弟の熱きドラマは、続いていく。(加藤 弘士)