◆JERA セ・リーグ 巨人4―2中日(30日・東京ドーム)
巨人の阿部慎之助監督が今季で現役引退する笠原昌春審判員に花束贈呈した。
試合後、場内アナウンスやビジョンで田中将大投手の日米通算200勝が祝福され、少年野球時代のチームメートだった坂本勇人が花束を渡すなど祝福。
場内ビジョンには「笠原昌春審判員38年間お疲れ様でした」と表示され2人で記念撮影。スタンドは「笠原コール」に包まれた。
笠原審判員は1965年3月1日生まれで、東京電機大高、東京電機大出身で1988年にセ・リーグ入局。91年に1軍初出場し、昨年まで3043試合に出場し、史上20人目の3000試合出場を達成した。
審判38年目、60歳で迎えた今季も直近では巨人が4点を追う9回に一挙5得点で大逆転勝利した9月27日のDeNA戦(横浜)で球審を務めるなど第一線で活躍した。
阿部監督との縁としては現役時代の14年7月11日の阪神戦(東京D)、8回2死一塁で二塁へのゴロを放った際、一塁塁審の笠原塁審は一塁アウトの判定。怒った阿部は思わず笠原審判員を両手で突き押してしまい、退場を宣告された。テレビ解説の金本知憲さんも「セーフですね」と断言するタイミングだったが、リクエストのない時代。これが阿部の選手として唯一の退場だった。当時、試合後の阿部は「人間のやることだから。でも、退場とみなされる行為をしたのは反省しないといけない」と謝罪のコメントをしていた。
昨年3月29日、巨人の監督として初戦となった阪神との開幕戦(東京D)で球審だったのが笠原審判員。開幕投手の戸郷の6回無失点の好投で「監督1勝」をつかんだ試合だった。
普段から審判をリスペクトする阿部監督。この日、笠原審判員に花束を渡した後、2人でガッチリ握手を交わして敬意を表した。