◆第104回凱旋門賞・仏G1(10月5日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)

 凱旋門賞で日本勢にとって海外調教馬が強力なライバルとして立ちはだかる。昨年2着のアヴァンチュールを送り込むクリストフ・フェルラン調教師=フランス=。

フランシスアンリ・グラファール調教師=同=はキジサナ、ダリズ、ゲゾラの3頭出し。現地で取材を続けるフリーライターの土屋真光氏が、両陣営を直撃した。

 ―昨年のアヴァンチュールはヴェルメイユ賞2着からの2着。今年は勝っての参戦です。

 「昨年はオペラ賞(同日の牝馬限定・芝2000メートルのGI)と迷いながらの出走で、どこまでできるかという挑戦でした。2着でしたが、とてもいい内容に満足していて、選択は正しかったと思います。今年は自信を持っての出走です」

 ―昨年は6月の仏オークス(4着)の後、8月にG2を勝ち、9月にヴェルメイユ賞を使って参戦。今年は6月のサンクルー大賞(2着)の次がヴェルメイユ賞でした。

 「今年は年始から凱旋門賞を目標にしていましたので、数を使うつもりはありませんでした。ヴェルメイユ賞が例年より1週早くなり、むしろちょうどいい間隔になったと思います」

 ―この一年、負けた相手はブルーストッキングとカランダガンのみ。その2頭は不在で、1番人気が見込まれます。

 「実はプレッシャーは、昨年の方が上でした。

調整も順調で彼女の力を信じるのみです」

 ―勝った距離はマイルから2500メートル。ベストの距離は?

 「私が預かったドバウィ産駒の半兄はステイヤーでしたが、アヴァンチュールはそこまで長い距離向きではないでしょう。(ベストは)やはり2400メートル。2000メートルもこなすスピードと自在性は、大きな武器です」

 ―去年と変わった点は?

 「もともと難しい馬ではないですが、以前よりレースでの集中力が上がったと思います。また、馬格も増して、すべてが力強くなりました。フィジカル面の強化が一番ですね」

 ―当面のライバルは?

 「馬場が良ければ同じ馬主(ヴェルテメール兄弟)のソジー。ミニーホーク、ヴェルメイユ賞で下したゲゾラも脅威。もちろん日本馬も警戒しています」

 ―12番ゲートに決まった。

 「枠順は重要なファクターと考えていましたが、ここなら問題ありません。13番より外ならちょっと嫌でした。序盤も内の出方を見ながらレースしやすいでしょうし、騎手もうまく乗ってくれるでしょう」

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