凱旋門賞追い切り(1日・コワイラフォレ調教場)

 【シャンティイ(フランス)1日=山下 優】JRA海外馬券発売対象の第104回凱旋門賞・仏G1(5日、日本時間23時5分発走、パリロンシャン競馬場)の追い切りが、コワイラフォレ調教場で行われた。クロワデュノールは北村友一騎手(38)=栗東・フリー=を背に併せ馬。

鞍上は「前回より格段に良かった」と手応えを得た。ビザンチンドリームは単走で調整し、陣営が自信を持つ仕上がりとなった。この日は各陣営が会見し、現地メディアからの質問にも答えた。また、出走馬が発表され、18頭となった。

 シャンティイの朝は凍えそうな寒さで、霧も立ちこめていた。その中を切り裂くように、クロワデュノールはコワイラフォレ調教場の芝コースで力強い伸びをみせた。前に現地の馬を置いて北村友が仕掛けると、緩い馬場をしっかりととらえて併入した。「しまいは体を使わせて動かしたなかで、求めていたことができた。いい追い切りでした」と主戦はうなずいた。

 前走のプランスドランジュ賞は、良化途上の状態で短頭差の勝利。叩き良化タイプとはいえ、間隔が自身初の中2週。どこまで良くなるかがポイントだったが、「追い切り前からずっと乗っているなかで、良くなっていると感じました。

前回よりも、格段に良かった」と胸を張った。

 斉藤崇調教師も高い評価だ。「全体の時計よりも、気持ちと動きをメインにみましたが、良かったですね。前回が良くなかったので、あとはどこまで上がってくるか」と笑顔。10月5日までに、さらなる良化も見込める。

 日本の“三本の矢”のエースがいよいよ、欧州競馬の最高峰に挑む。21年のクロノジェネシス(7着)以来4年ぶりの挑戦のトレーナーは「あの時はもっとできることがあったのでは、と思いました。あれからいろいろな馬が、いろいろなことを教えてくれた。海外や日本で、4年間積み上げてきたものを、凱旋門賞で試したい」と全てのエッセンスを投入して、勝利をつかみ取る。

 今年のダービージョッキーは「この馬との日々を大切に過ごしています。いい走りをみせて、日本ダービー馬がフランスでいい競馬ができるように頑張ります」と自らを奮い立たせた。これまで、のべ35頭の日本調教馬が挑戦して、はね返されてきた高い壁。

今度こそ、今度こそ乗り越えてみせる。(山下 優)

 

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