◆大相撲秋場所11日目(24日・両国国技館)
元大関の東前頭11枚目・正代が、新小結・安青錦を寄り倒して2敗を守った。低い体勢の攻めが持ち味の12歳下の新三役を起こし、力強い相撲で相手の連勝を6で止めた。
いつもの正代の「昔の形で出ています」という相撲。立ち合いはかち上げからの体当たり。顎が上がり胸は反っていた。安青錦の右を左で抱え込みながら引っ張り込むと右を差して、かいな(腕)を返した。安青錦に残された際のつま先立ちも正代スタイルだが、最後は豪快に寄り倒した。
今場所は形は同じでもガムシャラに前に出る気持ちと馬力が違う。番付を落としていた時は馬力が影を潜め、顎を上げ、胸を出し、腰が高いという悪癖が負のスパイラルとなった。差せば出る、まわしを取れば出る、セオリー無視の愚直な相撲で2敗をキープした。
優勝争いは2横綱に絞られたと言えるかもしれないが、優勝経験がある正代と優勝争いを演じたことのある隆の勝といった地力のある力士が控えているのは不気味。