日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)が29日、東京・両国国技館で開かれ、大島理森(ただもり)委員長が会見を行った。
28日に千秋楽を迎えた秋場所は、横綱・大の里(二所ノ関)が横綱・豊昇龍(立浪)との優勝決定戦を制し、13勝2敗で5度目の優勝を果たした。
大の里は昇進2場所目で横綱として初めての優勝を飾った。大島委員長は「逃げない相撲をやられましたね。そして、受けながらも強い相撲を取られた。精神的にも構えをどっしりしたものにして、そういう相撲であった」とたたえた。横審内でも「一層の進化を遂げた結果としての優勝。立派であった」と称賛を集めたという。
豊昇龍は先場所まで昇進後3場所で2度の休場と苦しい状況だったが、今場所は千秋楽の本割で大の里に勝って決定戦に持ち込んだ。
一方で豊昇龍は14日目の関脇・若隆景で、立ち合いの変化で勝利を収めた。横審内でも意見が交わされ「横綱としての勝利への決断として、ああいう取り口になったのではないか、という意見があった」と説明。大島委員長も私見として「いろんなご意見が世にあることは承知いたしておりますが、勝つということは、勝負において大変な大事な目標の一つ。加えて優勝というものがその目前にあった時に、総合的な判断として豊昇龍関が取られた結果ではなかったのか」と述べた。