経営再建中の日産自動車(横浜市)が、サッカーJ1横浜FMの株の売却を検討しているとしたスポーツ報知の報道を受けて、J1横浜FM中山昭宏社長が30日、横浜市内で取材に応じた。

 日産自動車が、IT大手など複数の企業を相手に、保有する約75%の株式の売却を打診。

身売りが検討されていることは否定しなかった上で、中山社長は「日産自動車から正式に何か出たものはないので、マリノスとしてオフィシャルに言えるものはない。我々では答えられないところもある」と説明した。

 1972年の日産自動車サッカー部創部から、半世紀を超える歴史を持つ地域に根ざした名門クラブだけに大きな衝撃を与えていることもあり、「まずこういう報道が出てしまって心配されている方も多いと思う。ご心配をおかけしていることに対しては、おわびの気持ちを持っています」と思いを明かした上で、「クラブとして言えることは、日産自動車のサッカー部から我々が大事にしてきたものが、今マリノスのクラブの財産になっていますし、その財産が我々の価値になっていて、その価値を支えてくださっているのは、マリノスのファン・サポーターの方々、ステークホルダー(利害関係者)、パートナー、スポンサーの皆様。なのでそこの根幹はマリノスとしては必ず守っていく、一瞬たりともぶらさずにアイデンティティーやクラブのブランド、フィロソフィーは守っていきますというのはお伝えしたい」と強調した。

 過去一度もJ2降格がない名門クラブだが、今季はクラブ初の2度の監督交代を余儀なくされるなど、現在降格圏ギリギリの17位に低迷している。まずは残り6試合に向けて「今クラブが第一優先にしているのは、J1残留です。J1残留に向けて1試合、1試合やっていくというところに集中したい。これまでも集中してましたけど、そこはぶれずに変わらずにやっていきたい」と話した。

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