◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)

 今年の推奨馬で馬券圏内に入った馬は以下の通り。

 ▽フェブラリーS 3着ミッキーファイト(1番人気)

 ▽NHKマイル 1着パンジャタワー(9番人気)

 ▽宝塚記念 1着メイショウタバル(7番人気)

 ▽スプリンターズS 1着ウインカーネリアン(11番人気)※16着カピリナも推奨

 ▽チャンピオンズC 2着ウィルソンテソーロ(2番人気)※16着ウィリアムバローズも推奨

 ▽阪神JF 3着タイセイボーグ(6番人気)

 ▽朝日杯FS 2着ダイヤモンドノット(5番人気)

 朝日杯FS終了時点で、推奨馬の馬券圏内は22レース中7レース。

仮に推奨馬の単複を1000円ずつ買った場合は4万8000円の投資(※2頭推奨したレースが2レースあるため)で回収12万700円。7万2700円のプラスとなりました。回収率251・4%はまずまずの数字かと。残り2レースありますが、単複で4000円の投資であれば、今年の収支はプラスとなった格好です。

 30年以上、馬券と付き合ってきましたが、今週の有馬記念公式会見でも武豊騎手が「競馬ですから簡単には行かないと思います」と話していたとおり、どのファクターがハマるかを見分けるのは非常に難しい。

 能力ベースで決まるのか、トラックバイアスの影響が大きいのか、ペースが左右するのか…。騎手や調教師といった人的なもの、ましてや馬に体調やメンタル面を尋ねるわけにもいかず。それでも、あくまで最大公約数となるデータのうち、有効なファクターはどれかを考えるのが私の楽しみ方だったりします。

 さて、有馬記念。ノーザンファーム生産馬が18年から7年連続で勝利。過去20年でみると、14年に7頭が出走して以降は6頭以下になったことがなく、15年と17年以外はすべて生産馬が勝利している。この両年に共通するのは生産馬が1番人気ではなかったこと(1番人気は15年ゴールドシップ、17年キタサンブラック)。

質と量の両面で有馬記念タイトルをほぼ独占しているのが改めて分かる。今年もレガレイラかミュージアムマイルの1番人気が濃厚で、ノーザンファーム生産馬の勝利が濃厚とみる。

 一方で、過去10年で単勝10倍以上(単勝100倍以上は馬券圏内0頭のため除外)は【2・5・2・68】。馬券に絡んだ9頭のうち5頭がノーザンファーム生産馬で、2頭が社台ファーム生産馬。〈1〉3歳、5歳、6歳〈2〉前走国内G1で7着以内かつ0秒9差以内かつ7番人気以内かつ単勝16倍以内かつ上がり3ハロン5位以内かつ2200メートル以上〈3〉前走海外G1で3着以内。絞り込むと【1・4・2・14】となる。

 過去10年のうち6年で馬券圏内に1頭は入っている計算。今年のメンバーで該当する馬は1頭。ジャスティンパレスだ。鞍上の団野大成騎手は12月18日までにキャリアハイの67勝。ジャスティンパレスは3着に持ってきた天皇賞・秋以来、2度目のコンビ。2400メートル以上の成績は24年【0・2・0・12】に対し、25年【1・1・1・10】と若干上昇している。

 また、管理する杉山晴紀調教師は朝日杯FSまでに今年のJRA・G1で18レースに管理馬を出走させた。G1公式会見でほぼ毎週お話を聞かせてもらったが、常に馬と真摯に向き合い、関係者への感謝、特にスタッフへの労いを忘れない姿勢に好感を持ってきた。今年はまだ勝利が無く、ジャスティンパレスにとってもラストラン。「もう一つ大きなタイトルを」と取り組んできただけに、最後につかんで欲しい気持ちもある。

 予想の余談でデータをもう一つ。実はグッドラックハンデが有馬記念の一つの指標となる。過去10年でグッドラックハンデが有馬記念の2レース前に行われたのは6度。両レースの3着内の馬番は以下の通り(※グッドラックハンデ→有馬記念)。

 ▽17年 2・10・14→2・3・10

 ▽18年 15・10・8→8・12・5

 ▽21年 6・7・14→10・5・7

 ▽22年 12・9・4→9・3・5

 ▽23年 8・6・4→5・16・4

 ▽24年 16・5・3→8・16・1

 17年は2番キタサンブラック(1着)と10番シュヴァルグラン(3着)。18年は8番ブラストワンピース(1着)、21年は7番クロノジェネシス(3着)、22年は9番イクイノックス(1着)、23年は4番タイトルホルダー(3着)、24年は16番シャフリヤール(2着)となった。最後の軸馬決めや伏兵拾いの参考にしてはいかがでしょうか。

 それでは今年もお世話になりました。

長々と書いたこのコラムが参考になれば幸いです。有馬記念を的中させて、良いお年をお迎えください。(編集委員・小松 雄大)

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