気づけば、子どもは画面の前にいる。泣き止ませるためでも、手を離せない家事の合間でもない。

日常の一部として、デジタル機器がそこにある。便利さと引き換えに、見えにくい変化が進んでいるのではないか。そんな感覚を裏付ける調査結果が示された。

 株式会社ア・ル・クが実施した調査によると、2歳から7歳の子どものデジタル機器利用は『毎日』が48.4%と約半数にのぼり、利用時間は『1時間程度』が29.0%、『2時間程度』が23.8%と、1~2時間が中心となっている。多くの家庭で日々一定時間の視聴が定着している実態が浮かぶ。

 こうした環境の中で、保護者の懸念は明確だ。同調査では、生成AIに対する不安として『自分で考える力が育たなくなる』が38.3%で最多となり、思考の主体性に対する警戒感が強い。さらに、今後必要と考える力として『自分で考え、判断する力』が57.6%と突出している点も対照的だ。利便性を認めつつも、それに依存しすぎることへの戸惑いが読み取れる。

 日常の困りごとも、その延長線上にある。子どもの行動面では『言うことを聞かない』が36.9%、『行動の切り替えができない』が31.8%、『集中が続かない』が29.4%と続く。外からの刺激には反応する一方、自分の意思で動きを整えることの難しさが指摘されている。

加えて、複数回声をかけなければ動けないという回答もあるなど、行動の自律性の弱さがうかがえる。

 一方で、解決の方向性も見えている。集中力や行動の切り替えと運動の関係については、約8割が関連を認めている。また、AI時代の能力育成について家庭だけでは難しいと感じる保護者も約8割にのぼり、外部の教育機会への期待も高い。受動的な時間が増えるほど、身体を使った体験の価値が相対的に重みを増している構図だ。

 デジタル環境はもはや前提であり、排除することは現実的ではない。ただ、その中でどのように子どもの思考や行動の基盤を育てるのか。調査結果は、画面の外側にある経験をどう設計するかという問いを、改めて突きつけている。

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