職場に広がる生成AIの存在は、利便性と同時に戸惑いももたらしている。業務効率の向上が語られる一方で、自分の役割や価値がどう変わるのか、現場で働く人々の認識は揺れている。

 株式会社UーWAが実施した調査によると、20代から30代の会社員のうち51・6%が業務で生成AIを利用している。調査は330人を対象にインターネットで行われた。未導入とする回答が48・5%で最多だったものの、個人利用や部署単位での導入を含めると半数を超えた。

 キャリアへの影響については、27・9%が業務の一部が代替され、現在のスキルが通用しなくなると予測した。一方で、影響は少ないとする回答も29・1%あり、見方は分かれる。ただし、将来に対する不安は一定の広がりを見せている。

 実際に、仕事が陳腐化するなどの不安を感じている人は45・8%に達した。内訳では、やや不安が36・1%、強い不安が9・7%となっている。一方で、メンタル面への影響については、キャリアへの不安はないが44・2%、悪影響はないが20・6%と、直ちに心理的負担が深刻化しているわけではない状況もうかがえる。ただし、仕事へのモチベーションが低下しているとの回答も13・0%存在する。

 個人の内面に目を向けると、自身の仕事における強みや専門性が明確になっていないとする回答は53・6%にのぼった。さらに、働く目的や生きる目的についても54・2%が明確ではないと答えている。

技術環境の変化に対し、自身の軸が定まらないまま向き合っている実態が浮かび上がる。

 生成AIの普及は、業務の効率化にとどまらず、個人のキャリア観にも影響を及ぼし始めている。選択肢が広がる一方で、何を強みとするのかを見定める難しさも増している。変化の中で、自身の位置をどう捉えるかが問われている。

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