◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 注目している騎手がいる。デビュー5年目の西塚洸二騎手だ。

今年はJRA通算100勝を達成。すでに17勝を挙げ、昨年の23勝を上回る勢いだ。「いろんなことを継続してそれがだんだん実を結んできました」。18年の福井国体を馬術(少年標準障害飛越)で制覇した経歴を持つ22歳。準備運動に馬術を取り入れ、日本ダービーを2度制すなど競馬界に変革をもたらした栗東の藤原英昭厩舎を中心に勝ち星を重ねている。

 他の騎手よりも栗東トレセン内で見かける機会が少ないが、今回その理由が分かった。調教も同厩舎をメインに一日約4頭を最も遅い歩法で競走馬の基礎となる常歩(なみあし)から、各1時間かけて乗り込んでいる。

 以前はそこまで意識していなかったと正直に明かしたが、藤原師の教えも受けつつ「馬の体調や、ちょっとした癖は常歩でも出ますね。競馬でも馬が嫌気を差して、ネガティブになる前にアクションを起こしやすくなりました」と、調教段階から背中越しに伝わる感覚を実戦にも生かす。

 3月29日の阪神1Rで騎乗したロイスターは衝撃を受けた一鞍だ。4コーナー後方3番手から直線で馬群を縫うように進出し、内から鼻差で差し切りV。「直線に来ると道が見えた。

(岩田)康誠さんがおっしゃっていることですね(笑)」。尊敬する大先輩の岩田騎手のような見事なイン突きだった。「自分で勝つ流れを体が覚えていっている感じがしますね」と、一鞍ごとに多くを吸収する若武者。大成する予感がする。(中央競馬担当・松ケ下 純平)

 ◆松ケ下 純平(まつがした・じゅんぺい)2025年入社。今年1月から本格予想デビュー。

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