東京・中央区で世帯増加に急ブレーキがかかっており“湾岸バブル”失速の兆しが見えている。不動産テック企業のマンションリサーチ株式会社はこのほど、23年1月から今年3月まで、東京都23区内中古マンション市場を調査した結果を公開(サンプル事例数23万4621件)。
東京都によると、世帯数は23区すべてで23、24、25年と増加を続けている。しかし25年の増加率で前年を上回ったのは千代田区(0・3ポイント増)のみ。港区と北区はほぼ変化なし(0・0ポイント)で、その他20区は増加率が鈍化している。特に著しいのが中央区で、24年に世帯数が5・6%増加した一方、翌25年は1・8%しか増えておらず、その差3・8ポイントの減少で23区内ワーストとなった。
同社は「令和6年(24年)には、令和5年(23年)と比較して都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)およびその周辺エリアにおいて、世帯数増加率が明確に鈍化しました。さらに令和7年(25年)には、その減速がほぼ23区全域に波及しており、これまで牽引(けんいん)役であった都心部から外縁部まで一様に『ブレーキ』がかかる構図となっています。これは、住宅価格の上昇が居住選択に影響を与え、転入・世帯形成の意思決定に変化をもたらしている可能性を示唆しています」と分析している。
増加率が鈍化したと言っても、25年も中央区の世帯数自体は増加している。ただし同社は「特に中央区の中古マンション供給の3~4割を占める湾岸エリアでは、価格上昇のスピードが著しく、その結果として需要の選別が進み、流動性の低下が顕在化しています」としている。また「東京都23区全体に広がりつつある構造変化の一端と捉えるべきです。(中略)住宅価格の上昇が需要の拡大を抑制する段階に入った可能性が高いと言えます」と、この傾向は一過性ではないと見ている。
中央区では1990年代から、臨海部でタワーマンションが複数建築され、晴海地区では東京五輪・パラリンピック競技大会用の選手村をマンション「晴海フラッグ」として開発している。一方で「晴海フラッグ」では、中国人投資家・富裕層による買い占めなどにより、日本人居住者が物件を手放す傾向があると報じられている。

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