東前頭15枚目・翔猿が東同9枚目・阿炎を突き落とし、2敗を守ってトップに並んだ。34歳1か月(千秋楽時点)で初優勝すれば、年6場所制となった1958年以降で年長3位となる。

単独首位だった大関・霧島は西前頭5枚目・正代にはたき込まれて2敗目。霧島、小結・若隆景、平幕の豪ノ山、琴栄峰、翔猿、藤凌駕の6人が並ぶ大混戦となった。西前頭13枚目の41歳・玉鷲は連敗を9で止め、待望の初白星を挙げた。

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 優勝戦線にいる6人の先頭集団の中で翔猿の存在感が際立っている。阿炎を突き落とした瞬間の大歓声は国技館の壁を突き破るかのようだった。NHKの解説室にいて隣のアナウンサーの声もまったく聞こえなかった。

 立ち合いは踏み込まなかった。左足を下げて阿炎の動きをしっかり見ていた。低い体勢で阿炎のいなしを残し、出てきたところを左からの突き落とし。考える前に体が動いている。相撲もうまい。横綱や大関が不在でも相撲が盛り上がっているのは34歳の翔猿の活躍が極めて大きい。

 力士の口癖は「一日一番」だが、失うものが何もない翔猿は絶対に優勝を意識していると思う。上位陣との対戦経験も豊富。星のつぶし合いになっても重圧で押しつぶされるタイプでもない。緊張感の中でも思い切った技を繰り出す度胸もある。残り5日、翔猿から目が離せない。(スポーツ報知評論家)

▽2敗 霧島、若隆景、豪ノ山、琴栄峰、翔猿、藤凌駕

▽3敗 義ノ富士、朝乃山、伯ノ富士、宇良

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