ラグビー・NTTリーグワン5季目は、神戸が初優勝を果たしてシーズンを締めくくった。3季ぶりの優勝を目指した東京ベイは、2季連続で進んだ決勝で13―22の惜敗。

悲願に一歩届かず、SH岡田一平は「前半はいいプレッシャーをかけられていたけど、試合が終わってみたら前半にもっと得点を取ることができたんじゃないかと思う」と、悔しさをにじませた。

 今季、飛躍の年を迎えた1人が、入団10年目の32歳、SH岡田だ。4月25日、レギュラーシーズン第16節。三重戦(54〇21)で3年ぶりの公式戦出場を果たし、リーグワン2キャップ目をつかんだ。「濃密な1か月だった。優勝は出来なかったけど、自信を持ってパフォーマンスは出来た」と、この1か月を振り返る。

 ラグビー人生の崖っぷちだった。決勝戦後「実は、今年の退団(のリスト)に僕の名前が入ってたんですよ」と、告白。BL東京戦(3月28日)の直前に、チームから“戦力外”を伝えられたという。「『来たかー』という感じ。驚きと、もっとラグビーしたいけど納得せざる得ない、複雑な心境」と振り返る。

 しかし、BL東京戦でポジションが同じ谷口和洋が負傷、退団は取り消しに。

「もう一回呼び出されて、(退団が)キャンセルされた。うれしかったけど、(谷口が)ケガだったので複雑だった」。3年ぶりの出場を果たした三重戦では、日本代表の主力でもあるSH藤原忍も負傷離脱。岡田「忍もケガをして、自分にチャンスが回ってきた時は運命を感じた」と、率直に明かす。“クビ”宣告から一転、チームを2季連続のファイナルへ導く救世主としてグラウンドに立った。 フィールド外では、チームの交流深める活動にも取り組み、バーベキューなどを開催。場を明るく、仲間からも信頼が厚い。4月以降、試合に向けた準備では、チームメートが2重3重の確認作業を手伝ってくれた。「『一平、大丈夫かな』と心配だったと思う。サインプレーだったり、スクラムでペナルティー取る部分だったり、何回も何回も再確認に付き合ってくれたチームメイトに感謝してます」。主力を欠いた決勝は、後半29分までプレー。RS1位の神戸に食らいつき、接戦を演じた。

 たどり着いた国立の舞台は、早大の2年時以来。「デビュー戦のつもりで新鮮な気持ちで戦えた」と、語った。5万451人が詰めかけた試合後は「もっと、頑張らなあかん」と振り返った。日本代表が抜けた穴を埋める活躍に、フラン・ルディケHCも「岡田一平選手も長いこと試合に出ていないなかで、ここ4試合しっかり仕事をしてくれた」と賛辞送った。ただ本人は「全然、まだまだ伸びしろはある」と、決して満足はしていない。

 チームでもベテランの域に入っているが「ラグビー32からです」と、頼もしい。「来季だけの契約じゃないので。この先5年、10年続けたっていい。僕次第です。まだまだ成長します。見届けてください」。今季覚醒した岡田から、来季も目が離せない。

(今井 隆太郎)

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