元官僚芸人で経営コンサルタントの松本昌平(47)が独自の道を切り開いている。ライブや動画配信では賄賂や忖度(そんたく)など官僚のイメージをネタに漫才。

情報番組では、知識を生かしコメンテーターとしても活動している。

 35歳でキャリア官僚を辞め、経営コンサルタントに転身したが「霞が関やコンサルだと、僕みたいな経歴の人はいっぱいいる。誰もやっていないことがしたい」と、43歳でお笑いの世界に飛び込んだ。総務省を退職する時に猛反対した両親は、このときは諦め顔。妻は「面白いね」と後押ししてくれた。

 高校で進学校に入るまでは勉強で負けたことがなかった。「お笑いで大事なのは台本。こっちの世界で自分より国語ができる芸人はいないはず」と高をくくっていたが、待っていたのは厳しい現実。お笑い養成学校で台本をボロクソに言われ、ライブでは滑った。

 「なぜ…」。相方との間(ま)、滑舌、表情などを対策し、23年からはその都度、相方を探してM―1グランプリに臨み、最高で3回戦に進出。「2回戦突破は公務員(キャリア)試験より難しいと思う」と実感している。

 私生活では2児の父。共働きの妻からは「稼いでいない時間は仕事とは認めない」と言われ、0歳児を抱きながら電話で漫才のネタ合わせを行う。今年もM―1に参戦予定。「いつか妻の収入を超えたいですね」。メガネの奥がかすかに光った。(浦本 将樹)

 ◆松本 昌平(まつもと・しょうへい)1978年7月29日、京都府出身。47歳。洛星高、京大経済学部卒、京大大学院情報学研究科修士課程修了。旧国家公務員1種に合格し総務省へ。財務省、内閣官房、岩手県庁出向を経て退職。経営コンサルタントに転身。2023年に芸人デビュー。

同年からM―1グランプリに挑戦している。

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