歌舞伎俳優の中村芝翫が東京・新橋演舞場で主演舞台「リア王」(22日千秋楽、演出・井上尊晶)に出演している。

 芝翫がシェークスピア劇に挑むのは2018年の「オセロー」、22年の「夏の夜の夢」に続く3作目。

ブリテンを治める老境にあるリア王(芝翫)が、娘たちの愛を言葉で確かめようとすることから始まる人間の根源に迫る物語だ。リア王の長女・ゴネリルを松下由樹、次女のリーガンを朝月希和、三女のコーディリアを井上小百合、オールバニー公爵を中村松江が演じる。

 和の要素で魅了する新たな「リア王」が誕生した。物語は、戦火で爆撃を受け廃墟と化した新橋演舞場から始まる。衣裳、小道具をはじめ、舞台セットの随所に和の要素を取り入れ、背景には日本の季節の移り変わりが描かれる。芝翫は「私は普段歌舞伎の人間ですので、洋装でかっこよく『リア王』ができるんだなと胸を高鳴らせて稽古場にいったら、舞台は焼けただれた能舞台で、衣裳は着物」と驚きを明かした。

 さらに「すべてが和装というわけではなく、女性陣はドレスの上に打掛で、男性陣は中にシャツを着ていたり、地頭(かつらをかぶらないで演じること)だったりと新しい感覚です」と説明。「花道があって提灯がぶら下がっている新橋演舞場と相まって、新しい『リア王』になるのではないかな。特に終盤の幕切れは、新橋演舞場ならではの演出だと思います」とアピールした。

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