落語家の林家菊丸が10日、大阪市内で「三代目林家菊丸独演会2026~上方人情噺の世界~」取材会に出席した。

 芸歴32年で、コロナ禍でも続けてきたという秋恒例の独演会。

今年は人情噺(ばなし)の「吉野狐」ほか2席の合計3席を予定している。菊丸は「AIは解答を導いてくれる便利なソフトではありますが、落語にはAIには出せない間や、味わいがある。落語に正解はないので、常に進化させていかないといけない」と意欲を語った。

 今回の「吉野狐」は二代目林家菊丸作。これに自身なりのアレンジを加えていくという。「ミステリアスかつロマンチックにやりたい」と明かすが、遊郭が出てくる話だけに、現代の社会情勢も考え「男の歓楽街ですけども、ごく一部でも不愉快にならないように、表現を嫌らしくないようにする」と宣言した。昔の芝居小屋があった道頓堀のくだりは、「師匠から教わった芸という形で出したい」と受け継ぐものもある。

 なぜ今「吉野狐」にこだわるのかについては「AIの時代だからこそ情のある噺をしたい」とキッパリ。自身が講師を務めるNSCでも若い子が人情噺に感銘を受けていたことを挙げ「現実にない世界に浸りたいと思いがある。こんな時代だからこそ人情噺を聞いてもらいたい」と熱い思いを語った。

 公演は11月23日、大阪・天満天神繁昌亭で行われる。

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