◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 「甲子園で待ってるよ」。電話の主は前東海大甲府(山梨)監督で現在は総監督としてチームを支える村中秀人さん(68)。

この夏、教え子の仲沢広基監督(39)が就任3年目の夏で初の甲子園出場。お祝いを伝えるとまさかのお誘い。久しぶりに聖地を訪れた。

 初戦(7日、対鶴岡東)は平日の第一試合。開門直後、静かな客席に座ると「ここで見るの、初めてなんだよね」。村中氏の言葉に驚いた。「グラウンドからの眺めとは全然違うね。応援も良く見える」と視線をアルプス席に。準備を続けるブラスバンド、野球部員らを眺め「本当に多くの人たちが応援してくれてるんだよね」と目を細めた。

 自身は東海大相模(神奈川)のエース左腕として元巨人監督の原辰徳氏らとプレー、春夏4度の甲子園出場。大学、社会人での選手生活を経て1988年秋、東海大相模の監督に就任。99年に東海大甲府の監督に就任し、2023年度末に勇退するまで何度も訪れた聖地は常に戦いの場だった。

 山梨県勢夏の最高成績(4強)を2度記録も、悲願の優勝旗には届かず。後を託した仲沢監督には「心は熱く、頭は冷静に」の言葉と共に、プレー以外でも魅力ある選手を育てることを求めている。この日の試合は5―2で勝利。「(甲子園で)1つ勝つのが大きい、これからだよ」。ユニホーム姿では見たことがない穏やかな表情だった。

 すでに秋の県大会が開幕。センバツに向け師弟の戦いは続く。グラウンドに掲げられた「全国制覇」の文字。実現の日を見届けたい。(デジタル担当・大津 紀子)

 ◆大津 紀子(おおつ・のりこ)1997年入社。システム開発、編成、地方部、デジタルと渡り歩き10月から人生初の大阪勤務。20年ぶりの部屋探しに奔走中。

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