馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はサートゥルナーリアが勝った2019年の神戸新聞杯を取り上げる。

偉大なる母シーザリオを持つ兄エピファネイアとの兄弟制覇を果たした一戦だ。

 春の悔しさを晴らす、圧巻の走りだ。発馬をスムーズに決めたサートゥルナーリアを、ルメールは2番手に収めた。我慢を利かせ、4コーナーでは持ったまま、逃げたシフルマンをかわした。直線はそのままノーステッキで加速。鞍上が2度後方を振り返る余裕ぶりで、2着に3馬身差をつけた。上がり3ハロン32秒3は、06年に改装されて以降の阪神競馬場で勝ち馬最速だった。

 「スタート前からリラックスしていて、ゲートの中も静かでいいスタートをきれました。向こう正面から冷静だったし、3、4コーナーからだんだん加速して、すごくいい脚を使ってくれました。強かったです」。ルメールは息も乱さず、涼しい顔で振り返った。

 母にオークス、アメリカンオークスのG1・2勝を挙げた名牝シーザリオ。

兄のエピファネイア、リオンディーズもG1を勝った。自らもすでにG1を2勝し、今回は2013年に勝っているエピファネイアとの兄弟制覇。一族が紡いできた高いポテンシャルは、しっかりとこの馬にも受け継がれている。

 あっさりと巻き返した。スケールの大きな競馬で無傷4連勝を果たし、日本ダービーでは単勝1・6倍と断然の支持を集めた。しかし、ゲート裏でテンションが上がり出遅れて4着。初の敗北を夢の舞台で喫し、屈辱にまみれた。立て直した秋初戦、そのダービーで半馬身先着を許したヴェロックスを子供扱いして強さを誇示。「上手にスタートを決めてくれたし、折り合いもついていました。ひと夏越して、体もしっかりしましたね」。心身の成長を実感した角居調教師は、強くうなずいた。

 今後については未定としたが、馬主の(有)キャロットファーム・秋田博章代表は「菊花賞はないです。

(古馬路線?)そうなると思います」と天皇賞・秋やジャパンCを候補に挙げ、古馬撃破をぶち上げた。動向が気になるが、はっきりしたことがひとつある。「スーパーホースだと思います」。ルメールが言い切った。

 続く天皇賞・秋では6着に敗れたが、暮れの有馬記念では2着。古馬になっての飛躍が期待されたが、故障などの影響もあり、なかなか思うように使えず。21年1月に現役を引退した。血統的なバックボーンも期待されての種牡馬入りだったが、現3歳のカヴァレリッツォやロデオドライブなど早くもG1馬を輩出し、超良血のラインを紡いでいる。

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