フォーエバーヤング(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎、父リアルスティール)が今週のジョッキークラブゴールドC・米G1(9月18日、米国ベルモントパーク競馬場・ダート2000メートル)で復帰する。年内で引退することは決まっており、連覇を狙うブリーダーズカップクラシック・米G1(10月31日、キーンランド競馬場・ダート2000メートル)へ転戦する予定。

ラストシーズンを前に、矢作芳人調教師=栗東=がスポーツ報知のインタビューで胸の内を語った。(取材・構成 山本 武志)

 ―ついにラストシーズンを迎える。

 「ワクワクしているし、それと同時にとにかく無事に(繁殖へ)上げなければいけないという緊張感もあります」

 ―ラストシーズンはBCクラシックの連覇が目標になった。

 「最終決断は(藤田晋)オーナーです。僕もオーナーもかなり迷っていましたし、オーナーがこっちと言えば凱旋門賞に行ったと思う。自分の中でもはっきりとした結論は出ていなかった。最終的にはオーナーがダートに行きましょうということでした。決まったからにはそこを勝つだけという感じです」

 ―オーナーの中にも凱旋門賞という気持ちは?

 「ありましたね」

 ―昨年は日本テレビ盃からの始動だったが、今年は現地での前哨戦。

 「挑戦というのが一つ。それと歴史と伝統ある東海岸有数のレースであるジョッキークラブゴールドCというレースを取りたい。ましてや、それが新生ベルモントパークのこけら落としの日にあるわけですから」

 ―レース後はBCクラシックまで間隔が空く。

 「1か月ベルモントで過ごして、レースの11日前にキーンランドに入る。

これはいいと思う。とにかく飽きるんでね、あの馬は。(同じく間隔の空く)ドバイの場合はサウジアラビアをすぐに出ないといけない。ずっとドバイで調教しないといけないと、気持ちがね(抜けやすい)。例えば、今回は検疫に入る、馬運車に乗る。これでもう競馬と感じるし、検疫に入ると『あっ、これでおそらく2週間後ぐらいに競馬だな』と感じる馬なので。その辺が(直前に)キーンランドへ移動することで『あっ、競馬だな』とスイッチが入りやすいと思う」

 ―8月にはアメリカへ施設の視察にも行った。

 「ベルモントパークに行ったのはラニのベルモントS(16年)以来。やはり、素晴らしくなっていたよ。馬場も改装していたし、非常にいい状態だった。ただ、やはりベルモントだけじゃなくて、外厩施設で調教したいという希望もあって、自分なりに色々と動いたけど、なかなかうまくいかなかった。アメリカの有力者まで協力してくれたけどね。

今回は変わらなかったけど、今後の海外馬券発売レースも増えるわけだし、これから日本馬が行く時のために、今後の課題として一石を投じられたのかなとは思う」

 ―現時点での状態は。

 「去年は日本テレビ盃に75点で行けたけど、今年は90点程度の仕上がりにはなると思う。勝って、一度状態を落としてもいいかなというぐらいの気持ちです。(間隔が)6週あるので、また上げていけばいい。ジョッキークラブゴールドCのように権威あるレースを前哨戦なんて言うのは失礼。しっかりと取りに行かないといけない」

 ―いよいよ、始動戦が目前に迫ってきた。

 「もちろん最終目標はBCクラシックだけど、ここもしっかり勝って、BCクラシックを勝つ。そうすればアメリカの年度代表馬という夢が見えてきます。そのミッションを確実に遂行したい。簡単ではない。特に去年(のBCクラシック)はフィアースネスもシエラレオーネもいたけど、今年は皆うちの馬を目標にするからね。でも、そこで勝ってこそというか、そういうところで勝つのが好きな人じゃない、俺が。

だから、頑張るさ(笑)」

 ―日米で年度代表馬といえばすごい偉業になる。

 「痛快じゃないですか。日本人馬主、日本人調教師、日本人ジョッキーで日本馬がアメリカの年度代表馬を取ったら。とてつもないことだと思います。その夢を実現する。フォーエバーヤングと一緒に頑張っていきたいです」

 ◆矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961年3月20日生まれ。東京都出身。65歳。84年から栗東へ入り、14度目の調教師試験で合格。05年に厩舎を開業した。その後は3冠馬コントレイルを始め、数々の名馬を輩出。14、16、20~22、24年で6度のJRA最多勝を獲得。

19~23年、25年で6度の最多賞金獲得調教師賞を獲得した。昨年11月9日には地方、海外を合わせた通算1000勝を達成した。JRA通算は977勝(13日現在)。

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