プロボクシング4大世界戦は27日、トヨタアリーナ東京でゴングを迎える。本紙評論家で元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏(43)は、WBC世界バンタム級タイトル戦で激突する井上拓真(30)=大橋=と那須川天心(28)=帝拳=の実力はほぼ互角と分析。

その上でさまざなな要素を加味し、10か月ぶりの再戦を占った。

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 【WBC世界バンタム級タイトル戦 井上拓真 5―5 那須川天心】頭の中で2人の戦う姿を何パターンもシミュレートしてみたが、どちらが勝つか正直、分からない。2人の力がそれだけ拮抗しているからだ。昨年11月の対戦を振り返ってみると、流れを変えたのが公開採点だった。4回と8回の終了時にそれぞれ採点が公開されるが、特に大きく流れを変えたのが4回の方だった。離れて戦う天心に対して、3回から距離を詰めて打ち合いを挑んだ拓真。1、2回の劣勢を挽回し流れを引き寄せると、そのまま判定勝ちしたように、今回も4回終了後の公開採点がカギになる。ここで流れをつかむか、戦い方を修正するのか、注目だ。

 前回勝っている拓真は、天心がどんな戦い方を挑んできても迎え撃つ準備はできていると思う。一方の天心は前回の反省から攻めに行く気持ちはより強いはず。2人のボクシングのキャリアを比べれば、やはり拓真の方が豊富で、天心がまともに向き合えば、流れはチャンピオンになる。拓真は万能型で大きく崩れることはない。

そして何より、セコンドからの指示を忠実にリングで実践できる強さがある。

 天心が対抗するとすれば、一番の持ち味でもある足を活かすことだろう。速いフットワークで先にパンチを当て、先手、先手で試合を進めることだ。より攻撃的になるために体の重心を前にする練習にも取り込んだと聞いている。戦前の予想では拓真の勝ちを支持する声が多く聞こえてくる。冒頭でも言ったように私の中では互角だと思っている。お互いが第1戦よりもレベルアップしているのも事実。そんな中での再戦は、天心が攻める姿勢を最後まで続けられれば、前回の悔しさをバネに大きな事をやってのける気がする。

▼階級を上げた西田凌佑はパワーアップし、2階級制覇に期待

 【IBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦 西田凌佑 5・5―4・5 サム・グッドマン】グッドマンは胸板が厚く体がしっかりしている印象を受けた。技術的にもまとまった選手で、そういう意味では西田も同じ言葉があてはまる。敵地ということでグッドマンは序盤から攻めてくるはずだ。西田はサイズ的にもスーパーバンタム級がマッチしているし、バンタム級時代よりもパワーアップしている。

テクニシャン同士でも、西田がやや有利に感じる。

▼坪井智也のテクニックは秀逸 難敵マラジカをどう封じるか 

 【WBC世界スーパーフライ級王座決定戦 坪井智也 6―4 リカルド・マラジカ】手足が長く、足を使いジャブを突くマラジカは、対戦相手にとってはやりづらい選手だ。南アフリカの選手は独特の距離感とスタイルを持っている。ただ、坪井は世界選手権の金メダリスト。アマ時代、ありとあらゆるタイプの選手と対戦経験があり、難敵を相手にどんな試合展開に持ち込むか。坪井の最速タイ記録となる5戦目での王座奪取に期待したい。

▼ミニマム級で好評価の松本流星 アコスタとの無敗対決をどう制するか

 【WBO世界ミニマム級暫定王座決定戦 松本流星 6―4 ラッセル・アコスタ】アコスタは好戦的なタイプで、前に出ながらパンチを振ってくる。松本は左右に動きながらさばきたい。松本のミニマム級での評価は高い。パンチも強く、バランスがいいことを証明するように攻防一体のボクシングを展開する。無敗の同士の一戦だが、パンチの的確性では松本が上。2つ目の王座を取りでビッグファイトに進んで欲しい。

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