14歳の尾上眞秀(まほろ)は、「錦秋十月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座、20日まで)の第3部「屋敷娘」に出演中。今夏、「マルコス浄瑠璃『金閣寺』」に続く共演となる中村壱太郎(36)と女形の舞踊を披露している。

「屋敷娘」は眞秀の曽祖父、7代目尾上梅幸が度々、演じており、音羽屋にも縁が深い。

 初お目見え(17年)から10年目で本格的な娘役。花道から姿を見せると、客席から「かわいい~」の声が漏れる。まん丸の瞳が、新しい娘役としての印象を与える。

 「難しいけど面白い。化粧も自分でやっています」。曽祖父の踊りを映像で見て「少ない動きの中で表現が豊か」と圧倒された。女形の衣装、かつらに「想像以上に重い。首が痛くなったり。歩くことひとつでも簡単でないです」とすそさばきにも苦労。毎公演後、振り返って反省し、次につなげる。壱太郎から受けた扇子の使い方の助言も大事にしている。

 自分の娘役姿を見た感想を「意外とかわいいかも」と素顔な感想。初日前の舞台げいこでは祖父で人間国宝、7代目尾上菊五郎(84)に見てもらった。「よくやってる、と言ってもらえたので。この言葉を励みにしてやっています」

 一瞬で衣装が変わる歌舞伎独特の演出「引き抜き」もある。「これも初めてですが、うまくいくと気持ちよくて。後見の方との呼吸がいかに大切か分かりました」。まだまだ粗削りだが、華やかな容姿はいや応なしに見る者を引きつける。中2の少年は芸も身長(約160センチ)も成長中。「出るのが夜8時半と遅いですが、一人でも多くの人に見ていただきたい。大変だけど女形をもっとやってみたい気持ちも。やらせてみよう、と思ってもらえるようがんばるのみです」(内野 小百美)

 ◆尾上 眞秀(おのえ・まほろ)2012年9月11日、東京都生まれ。14歳。

母・寺島しのぶ、父は仏人アートディレクター・ローラン・グナシア氏で日仏のハーフ。17年本名の寺嶋眞秀で初お目見え、23年初舞台を踏み、初代尾上眞秀を名乗る。昨年「港のひかり」(舘ひろし主演)で映画デビュー。目の不自由な少年を好演し、注目された。屋号は音羽屋。

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