レスリング女子で五輪3連覇の吉田沙保里(44)が29日、東京・池袋サンシャインシティ内の噴水広場で歌手デビューを記念したミニライブを行った。前日28日に自身が作詞したシングル「I’m Here」をリリースし、徳間ジャパンコミュニケーションズよりソロアーティストとしてメジャーデビューした。

 ライブでは2作目の「勝ちに行く、今」も披露。店舗が入るサンシャインシティ内の施設で、噴水広場はライブを行うには絶好の吹き抜け。吉田は「夢にまで見た歌手になりました! 勝負に行きたいときにこの曲を聴いてください」とあいさつすると、ライブをスタート。マイクを通して美声を響き渡らせた。テンポ良い曲にギャラリーからは手拍子。爽快な曲調に合わせて熱唱していると、足を止めて聞き入る通行人も。なかには美声の持ち主が「レスリングの吉田沙保里」と分かるや「えっ!?」と二度見する人の姿もあった。歌い終わると「みなさ~ん、どうですか~!?」と耳に手を置き、場内の反応をきくと「いいぞ~!」のかけ声も。拍手喝采となった。

 吉田は「人生は一度きり。一歩踏み出さないと。笑顔で毎日を過ごしていただきたいなと思います」とあいさつした。

 ライブには格闘家の武尊が花束を持ってサプライズ登場。「人間ドックから駆けつけました」と吉田のデビューを祝った。

 レスリング界では“霊長類最強女子”として君臨。プライベートではギターの弾き語りをSNSに投稿するなど、その歌声に「意外とうまい!?」と驚く声も多かった。デビューのきっかけは徳間ジャパンコミュニケーションズのディレクターが吉田がギターを生演奏し、あいみょんのマリーゴールドを披露していたTikTokを偶然発見し「これいけるじゃん」と直感。今春にさっそく本人にコンタクトを取ると、高速タックルばりの速さでとんとん拍子で話が進んだという。何人かの作曲家に曲を依頼し、夏には2曲を制作。シンガー・ソングライターの小林柊矢氏が作曲した「I’m Here」、田村信二氏作曲の「勝ちに行く、今」が完成した。作詞は吉田と、小林氏、田村氏とそれぞれの共作となった。

 歌手へのあこがれを抱いた原点は父が聴いていた演歌だった。父・栄勝さん(2014年死去、享年61)は、五輪と世界を制した左構えの高速タックルを徹底的に指導したコーチでもあり、人生の師でもあった。試合の送り迎えの自家用車の車内で父が良く聴いていたのが、島倉千代子の「人生いろいろ」。

吉田は「子供の頃によく耳に入ってきて、試合前に口ずさんだりしていました。私が歌手になれるなんて夢みたいだし、本当に人生いろいろですね」と語った。

 長年の夢でもあった歌手になり、メジャーデビューシングル「I’m Here」をリリースした。発売されたCDには、表題曲「I’m Here」と「勝ちに行く、今」の2曲に加え、それぞれのインストゥルメンタル音源を収録。徳間ジャパンコミュニケーションズでは「これまで数々の勝負の舞台に立ち続けてきた吉田だからこそ伝えられる、“今を生きる意志”や“前へ進む力”を感じさせる作品となっている」と紹介している。

 なお、CDの初回盤(税込み 4200円)には黄金の「挑戦お守り」付き。また、メジャーデビューを記念したオリジナルグッズとして「吉田沙保里 勝ちに行く!だるま」も発売。

 イベントは11月3日に名古屋でも予定されている。

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