ラショナル・ジャパンは2月8日、東京ビッグサイトで開催された展示会「国際ホテル&レストラン・ショー HCJ2023」内でプレス・カンファレンスを開催し、2022年の業績報告とともに、高性能厨房機器「iCombi Pro」と「iVario Pro」について調理デモンストレーションを行った。
冒頭、ドイツ本社 ラショナルAGマーケティング&カスタマーソリューションのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントのロバート・マンデー氏が登壇。
続いて壇上に立った、ラショナル・ジャパンの赤井洋代表取締役社長は業務用厨房業界全体の売上推移を示し、「2013年から年々売上は上がっているが、コロナの影響で特に2021年は厳しく2022年は約5900億円の市場規模になった」と説明。その上で、「厳しい経営環境だったが、当社はスタッフが懸命に頑張った結果、右肩上がりで成長し、2022年は48億円の売上げを達成した。
また、「当社は世界で初めてスチームコンベクションオーブンを開発したメーカーだが、2023年は『iCombi Pro』と『iVario Pro』の2本立てで、さらにいろいろなお客様を魅了していきたい。特に、『iVario Pro』は当社独自のネットワークソリューションである『ConnectedCooking』の強みをさらに訴えたい」と意欲を示した。
「ConnectedCooking」は、スマートフォン、タブレット、パソコンなどの端末を介して、レシピや調理プログラムのデジタル管理を行う機能で、レシピ管理、資産(ユニット)管理、衛生管理の3つを実現する。
レシピ管理とは、調理のプログラムをユニットに転送することにより、複数のユニットで調理品質の標準化を実現すること。
資産管理とは、厨房で起きていることを常に把握し、現場の作業効率や生産性を高めることができること。厨房から離れていても、温度帯や設定変更が可能で、安全に、確実に、厨房を管理でき、新たな機能も自動でアップデート可能。
衛生管理とは、HACCPデータの自動保存で安全な調理環境を実現すること。従来の大量調理マニュアルでは調理後食材の中心温度を測り、紙に記載する手間があったが、それを自動で記録できるので現場の労力を削減する。
ロバート・マンデー氏は「ConnectedCooking」の機能について、「チェーン店の場合は衛生管理のチェックができ、それぞれの店舗でメニュー変更・進行管理が簡単にできる。一方、個人店の場合は、衛生管理のチェックとともに、レシピをうまく利用して、新たなメニューを作り、アレンジすることができる」とメリットを強調した。
その後、プレス・カンファレンスでは、「iCombi Pro」と「iVario Pro」を使った調理実演を行った。わずか20分で、エッグタルト50食、スパイスカレー&ターメリックライス&タンドリーチキン20食を調理して、性能の高さと簡便性を見せつけた。
岡田浩和コーポレートシェフは「いずれも限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮する機器である」と強調して、「『iCombi Pro』は1台で大量生産ができるほど、生産性が高い。段ごとに複数の調理を同時に行い、火加減の調整や裏返しの作業もなく、柔軟に調理する。食材を入れてしまえば、シェフの代わりにやってくれる。また、『iVario Pro』は従来と比べて、約35%、調理時間が早くなる。ご飯も浸水させる手間も時間も必要ない。すぐに炊き上げることができる。
ドイツ本社 ラショナルAGは2023年、創立50周年を迎える。世界各地でさまざまなプロモーションを行う予定だ。