アサヒグループ食品のミンティアは、1996年の誕生から30周年を迎えた。国内の錠菓市場を切り拓いてきた同ブランドは、コロナ禍の苦境を乗り越え、2025年度に過去最高売上のとなる261億円を記録した。
26年度は新商品「ミンティア +FOCUSクリアラムネ」を発売するとともに、テレビCMやPRイベント、店頭プロモーションなど、さまざまな施策を実施する。26年度は、前年を上回る279億円を売上目標に掲げる。

マーケティング本部マーケティング一部担当部長真鍋礼子氏、同担当課長の江川輝氏に、ミンティアの成長を支えてきた品質へのこだわりや26年度の戦略などについて話を聞いた。

消費者のリフレッシュニーズが多様化する中、ミンティアはブランドの基本価値「エチケット」「眠気覚まし」「気分転換」を全26SKUの多彩なラインアップを通じて提案し、10代~60代の幅広いユーザーを獲得している。近年は日常の小さなストレス(マイクロストレスと定義)をミンティアで都度解消し、気持ちよく過ごすことを呼びかけ、喫食機会の創出を図っている。25年に実施した「日常のなんてこった書店」施策は約1カ月のイベント期間中、計画比84%増の3万3110人が来場し、ブランドの好感度や購入意向が大幅に高まったという。

品質の磨き込みもミンティアの成長を支えてきた。例えば容器は持ち運びの利便性を直感的に伝えるため、発売当初は名刺サイズの薄型容器だった。2002年にはそのデザインを横型に変更し、陳列時の商品倒れを防ぎ、店頭での視認性を高めたところ、売り上げが伸長傾向に転じた。その後、2014年にはスマホのような形状の新容器に、大粒タイプの錠菓を入れたミンティアブリーズを新たに上市した。小粒のレギュラーに比べて清涼感が持続するブリーズは、同社のねらい通り20~30代の社会人男性を中心に支持を獲得し、ブランド全体の底上げにつながった。

◆コロナ禍には大容量やマスク専用品が誕生


人と会う機会が減ったコロナ禍にはエチケット需要が減少し、ミンティアの売り上げは最盛期の6割にあたる144億円まで落ち込んだが、ライフスタイルや嗜好の変化をとらえた商品を投入し、V字回復を遂げた。家庭内で一日中喫食できる大容量ボトルや、マスク着用時に自分の口臭が気になるという声に応えたマスク専用品、高まる健康意識に対応した機能強化品、家族で分けられるアソートパックなどが生まれた。


従来品もパッケージ上のコピーを刷新することで売り上げを伸ばしている。「クリアプラスマイルド」は「息クリア」から「息みがき」へのコピー変更で25年の売り上げは前年比40%増、「+ボイス」は「声にうるおいのどタブレッド」のコピー加刷で同44%増と大幅に伸長した。

こうした取り組みが功を奏し、25年には過去最高売上を達成した。ブランド30周年を迎える26年度について真鍋氏は、「25年度までの好調を維持しつつ、基本価値を伝えながら新たな喫食習慣の創出にもチャレンジしていく」と話す。新商品として、「+FOCUSクリアラムネ」とフルーツフレーバーの「まるで芳醇ピーチ」「まるで熟パイン」の計3品を今春発売した。

◆集中時間の「持続」ニーズに対応


注力品「+FOCUSクリアラムネ」は、ブドウ糖摂取ニーズの高まりと働き方の多様化をふまえた商品だ。「集中をうたう商品は数多くある中、いい集中状態を持続させたいというニーズが出てきてきた。これはラムネに代表されるようなソフトな集中領域だと分析し、クリアラムネを開発した」(真鍋氏)。

同品にはミンティア史上、初めてブドウ糖を配合した。大人が携帯しやすいようパッケージはシンプルでスタイリッシュなデザインとした。既存のミントフレーバーの商品は集中の「入口」に、「+FOCUSクリアラムネ」は集中の「持続」に向くアイテムとして、ブランド内で棲み分けを図っている。

26年度は、「いい今日を、ポケットに。」というメッセージを通じたプロモーション活動を実施する。
昨年に引き続き浜野謙太さんを起用したテレビCMを投下し、これに連動した店頭展開やゲーム型の体験イベント「ミンティアリフレッシュビート」、ローカル局とのタイアップなどを行う。また、「+FOCUSクリアラムネ」単体として、お笑い芸人ラランドを起用したウェブCMや動画施策、JR山手線・京浜東北線の一部駅で交通広告を実施する。

同社ではこれらの取り組みを通じて30周年を盛り上げ、2030年には菓子ブランド3位のポジション獲得をめざす考えだ。
ミンティア30周年、過去最高売上の279億円達成へ
(左から)真鍋氏、江川氏
(左から)真鍋氏、江川氏
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