ニップンが50年以上にわたり支援するクレイフラワー「ルナ・フローラ」の展覧会「2026ルナ・フローラ展」が、10月1~4日に東京・目黒区美術館の区民ギャラリーで開かれた。
小麦粉を原料とする「パン粘土」などを使い、花びらや葉を一枚ずつ手作業で成形した作品約45点を展示。
今年のテーマは「記憶にひらく 花のいろ」。会場には「パンの花」「クレイ染の花」「香りの花せっけん/ルナブランカ」「シースルー・クレイフラワー」などが並んだ。花びらや葉は型を使わず、指先や手のひらで一枚ずつ成形し、油絵具やアクリル絵具などで彩色する。実物と見間違うほど精巧な作品も多い。
ニップンとルナ・フローラの関係は1970年前後までさかのぼる。創始者のジュンコ人見氏が生み出した「パンの花」の原料となる小麦粘土を、ニップンとジュンコ・フローラ・スクールが共同開発し、当時の高崎工場で製造・供給した。高崎工場の閉鎖に伴って自社での製造は終了したが、その後も支援を継続。1993年にはジュンコ・フローラ・スクールに資本参加した。
ニップン担当者は「当社は業務用の小麦粉が中心で、一般生活者からは見えにくい会社でもある。製粉会社と小麦粘土という親和性が高く、唯一無二の芸術を支援することは、企業価値や認知の向上にもつながる」と説明する。「現状のビジネスとは一線を画した文化事業へのサポート」と位置付ける。
同社による支援活動は、企業メセナ協議会の「This is MECENAT」に2022年度から5年連続で認定された。展覧会に加え、会員らが福祉施設や学校などで活動していることも特徴。2023年からは地域交流イベント「番町SJEマルシェ」でワークショップを実施し、その収益を障がい者福祉に寄付。2025年からは千代田区の「ちよだアクティブシニア塾」でも講座を提供している。
一方、長年活動を続ける中で、会員や講師の高齢化も課題となっている。今年は新たな参加者の開拓に向け、東京のスクール本部周辺約2km圏内を対象に新聞折り込みチラシを配布。体験教室の案内や、チラシ持参による展覧会への無料入場などを訴求した。
担当者によると、「チラシを見て来た」という来場者や、体験教室への申し込みもあったという。「本部が近くにあっても、地域の方は意外と存在を知らない。まずは教室があることを知ってもらいたかった」と話す。
精巧な作品が並ぶ一方、初心者にも参加してもらうための取り組みを進めている。担当者は「完成した大きな作品だけを見ると、自分にはできないと感じるかもしれないが、小さな作品なら意外と形になる。
ジュンコ・フローラ・スクールは1967年創立。国内外を含め約160講座を展開し、これまでに約20万人の愛好者を育ててきた。東京会場では作品展示のほか、会員が手作りした花などを販売するチャリティーコーナーも設け、売上金を社会福祉法人「読売光と愛の事業団」を通じて寄付する。
「ルナ・フローラ展」は今年、中部、北海道、関西、東京、九州の全国5会場で展開。中部、北海道、関西、東京の4会場を終え、11月に九州会場での開催を予定している。









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