ゲストは、サントリー食品インターナショナル株式会社ブランドマーケディング本部の木下卓也(きのした たくや)さんです。サントリーを代表する『特茶』ブランドから新たに発売された機能性飲料『特水』。

発売に至るまでの経緯や、今後の展望についてうかがいました。

誕生のカギは、米ぬかの成分

木下 サントリーは1899年に創業の、食品酒類を手がける総合メーカーです。わたしは「サントリー天然水」や「BOSS」といった飲料を担当しています。

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西田 サントリーといえば「特茶」が有名ですが、そこから新商品「特水」(とくすい)が発売されました。一見すると普通の水ですが、どういった商品なのでしょう?

木下 米ぬかから取れる「HMPA」という成分が入っています。この成分には、MBIが高めの方の内臓脂肪を減らすのを助ける働きがあるとされています。色も味もほとんどない成分なので、水感覚で飲んでいただけます。

なにも入っていないが正義の市場で挑んだ”水と生きる”サントリーから特水新登場

西田 サントリーはもともと「水と生きる」会社ですが、BMIを減らす効果が期待できる商品として、あえて水を狙った理由はなんだったんですか?

木下 最近は特に、健康に関心のあるひとが水をたくさん飲んでいるという背景があります。その一方、サントリーには「特茶」という商品がありますが、世の中の機能性飲料の多くはお茶なんです。

西田 健康を意識しているひとが水をたくさん飲んでいるというのは、どういう背景なんでしょう?

木下 おそらく、何も含まれていないイメージがあるからだと思います。それに代謝を高めるといった印象もありますよね。

「特茶」があったから乗り越えた壁

西田 開発にはずいぶん時間がかかったとお聞きしました。着想から発売まで、どれくらいかかりましたか?

木下 3年ほどかかったと思います。

西田 なぜ、そこまで時間がかかったのでしょう?

木下 ひとつ目の壁は、素材です。

水なので、味を変えない成分を見つけるのに時間がかかりました。5~60種類もの成分を探して、試して、ようやく味にも見た目にもほぼ影響もない成分が見つかりました。

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西田 それが「HMPA」だったんですね。これは新しい成分なのでしょうか?

木下 そうですね。発酵由来で、内臓脂肪を減らすのに役立つという機能が報告されている成分です。

西田 ふたつ目の壁はなんだったんですか?

木下 水はやはり、何も入っていないピュアなものがいいというイメージを持つお客様が多いんです。そのため、「なにか成分が入っていますよ」というパッケージにすると、手に取られにくかったんです。

西田 繊細なマーケットだったんですね。どう解決したんでしょう?

木下 “「特茶」ブランドから出た特別な水”という形で打ち出しました。「特茶」はいろいろな成分が入っている商品として知られていたので、中に何か入っていることが、逆に期待につながるのではないかと考えたんです。

西田 「特茶」ブランドをうまく生かしたんですね。

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「お茶から出た水」として選んだ舞台は......

西田 世に出すにあたっては、戦略もかなり練られたと思います。

いちばん力を入れた仕掛けはなんだったんですか?

木下 もちろんテレビCMも制作していますが、それ以外に御茶ノ水駅をジャックしました。「お茶から出た水」ということで、ダジャレのようなモチーフとして使い、駅全体で1ヶ月ほど展開しました。

西田 話題になっていましたね。ほかにも「特水」が受け入れられた感覚はありますか?

木下 いちばんわかりやすいのはは、売り上げです。当初の想定を上回るペースで売れ続けています。

西田 この先「特水」はどのように展開していくのでしょうか?

木下 最近、温めて白湯にしても機能が失われないことがわかったので、白湯としても飲んでいただけたらなと思っています。また、現在は600mlのサイズしかないので、今後はもう少し形態を増やして、さまざまな生活シーンに浸透していけるような売り方や開発を進めていけたらと考えています。

なにも入っていないが正義の市場で挑んだ”水と生きる”サントリーから特水新登場

TBSラジオ『見事なお仕事』より抜粋)

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