TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』毎週月曜日~木曜日 朝8時30分から放送中!
6月15日放送後記
ふらっと こども電話相談室
TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のお兄さん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。
Q. なんで大人は電話するときに声が変わるの?(鹿児島県 つづりちゃん 7歳 小学2年生)
(回答した先生)パトリック・ハーランさん/お笑いコンビ「パックンマックン」
向井お兄さん つづりちゃん、こんにちは。
― コンニチハ!
向井お兄さん 声が高いね~(笑)。質問が「なんで大人は電話するときに声が変わるの」だから、つづりちゃんも大人の真似してくれたんだ。お父さんもお母さんも電話するとき、やっぱり声は違う?
― 違う。
向井お兄さん どんな感じで変わってた?
― なんかしっかりしていた感じ。
パックン先生 いつもしっかりしてないんですね(笑)。実はね、正直、ぼくも声が変わるんです。向井さんも変わるでしょ? いまぼくらがラジオでしゃべっているこの声も、ラジオが始まる前に2人でしゃべっていたときの声と微妙に違いますよね、向井さん。
向井お兄さん そうですね。
パックン先生 だから場面に合わせてしゃべり方が変わるというのは、電話だけじゃなくて、いろんなところで見られると思うんです。つづりちゃんも友だちと話すときと先生と話すときでは話し方が違うんじゃないかな?
― 違うなあ。
パックン先生 どう違うんですか?
― ちょっとちゃんとしてる。
パックン先生 例えば先生に鉛筆を貸してほしいときは、なんて言うんですか?
― 鉛筆貸してくださいって言う。
パックン先生 そうですよね。でも友だちには「鉛筆貸して」とか言いますよね。その違いじゃないかなと思うんです。電話がかかってきたとき、電話の相手はあまりよく知らない人とか、お世話になってる人かもしれない。もしかしたらものすごく偉い人かもしれないですよね。岸田総理がお父さんに電話を入れてるかもしれないですよね(笑)。そのときはやっぱりつづりちゃんが先生に対して使うような丁寧な口調になるんじゃないかなと思うんです。
― 確かにそうだなあ。
パックン先生 たぶんつづりちゃんもちょっと大人になったら、しゃべり口調を少しずつ変えながらまわりと接するようになるんじゃないかなと思うんです。みんな少しずつ試しながら自分がまわりといちばんうまくいくしゃべり口調とか行動、振る舞い方を発見していくんです。それがまた人生の楽しいところですよね。
― 確かにそうかも知れない!
パックン先生 もうひとつ例えさせてください。つづりちゃんがお買い物に行くとき、学校に行くとき、友だちと遊んでるとき、服装も変えますよね。それぞれ違いますよね?
― うん、違う。
パックン先生 そうですよね。それぞれに合った適切なものを選んでいると思うんです。たぶんしゃべり口調もその場面に合わせて選ぶんじゃないかな、大人は。
― ありえる!
向井お兄さん だから、実はつづりちゃんも普段から自然とやっていたことなのかもしれないよね。
パックン先生 ちなみにつづりちゃんは人に「お世話になってます」って言ったことはあります?
― あんまりないなあ。
パックン先生 これね、大人になると電話でものすごくよく使う表現ですよ。初めてかかってきた電話でも、お世話になっていなくても、なぜか「お世話になってます」と言うんです。不思議ですよね。
― うん、不思議。
パックン先生 じゃあ練習のために「こんにちは、お世話になってます」って言ってみてください。
― コンニチハ、オセワニナッテマス!
向井お兄さん ひとつ大人になりました、つづりちゃんが(笑)。これ確かに大人が乱発しますね、気持ちもなんにも入ってない「お世話になってます」って(笑)。でも、大人がなんで電話のときに声が変わるのかという疑問はすっきりしましたか?
― すっきりしたあ!
向井お兄さん よかったあ。じゃあ最後に、「お世話になりました」。
― お世話になりました。
パックン先生 こちらこそです。でも素直な疑問も持ったまま、この先、自分の態度を考えていただきたいね。心のない挨拶をやりたくないならそれもやめるべきかもしれないですね。大人の社会を変えていくのも子どもの力じゃないかな。
(回答者プロフィール)パトリック・ハーランさん。アメリカのハーバード大学を卒業した1993年、22歳で来日。