TBSラジオ「松岡茉優 マチネのまえに」毎週日曜お昼12時から放送!
3月7日・日曜お昼12時から放送された、第48回放送。
松岡:今日は久しぶりにスタジオにお邪魔しております。どうでしょう?やっぱり音が違いますかね?違いますよね、それは(笑)
私はずっとケータイからお送りしておりましたから、きっと耳の良い方には「あ、全然違うな。やっぱりこっちの方がいいな」と思われたりしているんでしょうか(笑)いかがでしょうか。
去年の7月、映画「劇場」の宣伝の際に行定勲監督をお迎えして以来となりますが。
「松岡茉優 マチネのまえに」はこの3月で終了するのですが、今月は寂しく終わらないぞということで、『ゲストマンスリー』になってまいります!
私がお会いしたい人をお迎えして行こうということで、今日お迎えするゲストの方は、スープ作家の有賀薫さんです。
私はここ何年間かすごく大好きで、著書もたくさん持っているのでいろんなお話を伺えたらなと思っています!

【スープ作家・有賀薫さんのプロフィール】
ライター業のかたわら2011年から家族の朝食にスープをつくり始め、およそ3000日にわたって作り続けています。
「日本をスープの国にする!」という野望もお持ちです。
現在は、スープの実験イベント「スープ・ラボ」をはじめ、スープをテーマにしたイベントを数多く主催されています。
また、スープにまつわる本も多く執筆されていて『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』が「第5回 料理本大賞」に入賞、『朝10分でできる スープ弁当』が「2020年レシピ本大賞」に入賞されています。
松岡:今日は素敵なゲストの方をお迎えしております。スープ作家の有賀薫さんです!初めまして!
有賀さん:初めまして。
松岡:よろしくお願いします。
有賀さん:そうですね。まず、スープって、みなさんの頭の中で“食べるのは好きだけど作るのはすごく大変”だというイメージがとってもあったんですね。出汁をとるのが大変なんじゃないか、長時間煮込まなければいけないんじゃないかという。やっぱりそこを、「そんなことないよ。お味噌汁くらいかんたんに作れるものだよ」ということをお伝えしたくて、本を出しているんですが、やっぱり1回だけでは届かない(笑)
松岡:(笑)
有賀さん:何冊もちょっとずつ切り口を変えながら、いろんな方に届くように発信をしています。でも、基本的には「スープってかんたんで、あったかくて、おいしいよ!」ということをお伝えしたいということなんですよね。
松岡:私もスープが大好きで、でも自分がいつも作るスープが3種類くらい。「コンソメっぽいもの」と「トマトっぽいもの」と「ミルクっぽいもの」。あとは味噌汁という感じで回してたんです。有賀さんの本の中で私がいちばん作るのが、「白菜と鶏肉のスープ」なんです、生姜を入れる。
有賀さん:はい、はい。
松岡:あれを作った時に、すごくびっくりして。スープって、お味噌汁でいう出汁みたいな感じで顆粒のコンソメを入れなければいけないものと思い込んでたんですよね。だけど、有賀さんの「白菜と鶏肉のスープ」のレシピは、鶏肉を最初に煮てから取り出して、白菜を入れてから鶏肉を一緒にして、生姜と。そしてお塩をちょっと振るだけで、ほんとに満足のできる味になっていて!すごくびっくりしたんです!
有賀さん:そうなんです、みなさん、けっこうびっくりされるんです。けど、聞いてみると顆粒のコンソメやコンソメキューブやブイヨンを使って、そこに切ったお野菜を入れて作っている人が多いんですね。でも、もともとお肉にもお野菜にもたっぷり“うまみ”って入っているんですよね。なので、そういうものを使って、たぶん作っていただいているのでお気づきかと思うんですが具がたくさん!ほんとにスープが具だくさんなので、その具材の出汁がたっぷり出ているので、ブイヨンは使わないか、あるいは物足りないと思った時にほんのちょっと足すくらいで十分かなと思います。
松岡:最初はやっぱり「ほんとにこれで味が出るのかな・・・」って。
有賀さん:ちょっと不安でしょ(笑)
松岡:不安です(笑)有賀さんの本の調味料の欄は“お塩ちょびっと”“オリーブオイルちょびっと”だから「これ、すごい薄味なんじゃないかなー」って思ってたんですけど、作ってみたら全然!十分満足出来る味が出ますよね。
有賀さん:そう!みなさん、けっこう調味料を入れちゃうんですよ。
松岡:入れちゃう!ブラックペッパーなどすっごく入れてたんです!
有賀さん:もちょっと不安になる時があるんです(笑)
松岡:~(笑)
有賀さん:自分で自分のレシピを再現しようと思って本を見ながら作ってみた時に「あれ、これで大丈夫だったんだっけ!?」と思って。
松岡:他の料理本に比べてほんとに調味料が少ないから。そうなると、いつも過剰に必要ないほどに塩分を摂っているんだなってというのを実感しました。
有賀さん:そうですね。やっぱりみなさん、“うまみ”が好きなんですね。だからコンビニだったり外食で料理を食べる時って、待って入れば“うまみ・うまみ・うまみ”ってわかるようなそういう味なんですけど、私の場合は“うまみ”を探しにいくような!?そんな感じの味に仕上げています。
松岡:たしかに。飲んだ時に、一口目に「うまい!」というのではなくて、素材が育ってきたルートが見える、というか。特に白菜なんかは冬場はとってもおいしいからそれだけで味が出てたんだなぁって。もちろん、コンソメやブイヨンは手軽なものですし必要な時もあるけど、みんな同じ味にしちゃってたんだなぁって、ちょっと反省もしました。
有賀さん:そんな風に感じていただけたらほんとに嬉しいなとお思いますね。そう、野菜はそれぞれの味があるということがよくわかると思うんですよね。
松岡:野菜のコンソメもあるじゃないですか。それを入れれば野菜味って思っちゃってたんですけど。もっとかんたんに、手軽なんだけど丁寧な味が手に入るんだなと思って。
「有賀さんのスープジャーの本は最初に手に入れて欲しい」(松岡)「朝、10分もあれば全部出来ちゃうスープがほとんど」(有賀さん)松岡:ご自宅でなかなかスープを作る機会が無いという方も、ぜひ、有賀さんのスープジャーの本をゲットしていただきたくて。
有賀さん:あれもまた画期的ですよね。
松岡:うんうん。
有賀さん:スープジャーって、魔法瓶みたいに保温性がすごく高いので素材を中に入れておくと、その中の保温・熱でどんどん煮えて行くんですね。だから、最初はジャガイモなど中まで煮えてなかっても、朝作ってお昼まで煮て待っていると、お弁当の時間にパカッとフタを開けるとちゃんと煮えてきているという、すごく不思議な調理器具で。
松岡:低温調理ではないけど、じっくり熱が入っていくから、お昼になるとやわらかくなっていくんですよね。
有賀さん:そうなんですよね。あと、ふつうのお弁当だったら詰めた時にだいたいどんな味かわかっているじゃないですか。
松岡:自分が作ったものだとどうしてもわかっちゃいますよねー。
有賀さん:そう、だけど「スープ弁当」って、出来た時はちゃんとまだ馴染んでないというか。開けた時に「あ、出来てる!」という、そういう楽しさもね。
松岡:おかしみというか。私はよくお鍋をするのでお鍋の出汁で、次の日、おじやを持って行くことが多かったんですけど、有賀さんの本を読むまでは、おじやを作ってからスープジャーに入れてたんです。だからお昼になるともう6時間くらい経ってしまうから“お米しかいない状態”になっていたんです。けど、スープジャーのレシピを読んでて、「これ、もしかして・・・炊いたご飯や余ったご飯を入れて上からアツアツのスープを注げば煮えてるんじゃないか!?」と思って。
有賀さん:さすがです!
松岡:実験したら、お汁も残っててご飯もやわらかくてという状態になっていたので、スープジャーをもっと活用すれば、「私は朝は起きられないからムリです」という方も前日に具材だけ用意して、ちょっとあたためて。
有賀さん:ほんとにそうなんですよね。朝、10分もあれば全部出来ちゃうスープがほとんどなので。
松岡:スープジャーの本はいちばん最初に手に入れて欲しいなあと、私は思います。
有賀さん:料理初心者の人にもいいし、お昼に持って行く人にもぴったりだなと思います。
「有賀さんの『日本をスープの国にする』という言葉が心強い」(松岡)「味噌汁もスープとして扱って幅広くあたたかくておいしい世界が出来たら」(有賀さん)松岡:私、有賀さんの言葉をツイッターの方でも拝見していて。
有賀さん:えっ、そうなんですか!?
松岡:ツイッターでもすごい発信されてますよね。毎日、何投稿もされていて。身近に感じさせていただいているんですけど(笑)
有賀さん:私もフォローします(笑)
松岡:ありがとうございます!いちばん好きなのが『日本をスープの国にする』という言葉がほんとに心強くって。やっぱり味噌汁があるから。日本人にとっては王様じゃないですか。それに手軽に幅が広がるんだよという優しいメッセージに感じたんですよね。
有賀さん:ありがとうございます。まさにね、味噌汁って素晴らしいスープで、日本が世界に誇れるスープだと思うんですけど。今みなさん、パンやパスタとか洋風のお食事もいろいろしますよね。
松岡:大好き。
有賀さん:だから、そういう時にはやっぱりスープがあってもいいし。味噌味だけじゃなくて、塩味やしょうゆ味みたいにいろいろ広がっていくと、ぐっと作れるものが広がっていくので全部スープとして扱って、もっと幅広くあたたかくておいしい世界が出来たらなと考えてこういう風に言っています。
松岡:打倒・味噌汁ではなくて、味噌も別のところで使って。やっぱり、ごはん、お味噌汁、副菜、メインみたいなのを作らなきゃという意識があったから。例えば、副菜とスープが一緒に出来るじゃないですか。味噌汁も具だくさんにしちゃえばいいし。スープを作るのがプラスなんじゃなくて、自分の中から一つ引くような感覚でいられたので、ほんとに食事を作るのがラクになりました。
有賀さん:おうちのごはんって、もっともっと自由でいいなって思ってるんですね。だから、味噌汁だからごはんというのではなくて、例えば味噌汁にパンを付けたって言い訳ですよね。
松岡:ああ!中身がアボカドとかだったらいいのかも!
有賀さん:私なんかはベーコンエッグを味噌汁にポチャって入れて(笑)それならパンでも合うし。逆に、普通のスープをごはんに合わせたっていいわけだし。それはほんとその人それぞれのおうちの味でいいわけなので、そういう風に食べてもらえるといいなって思うんですよね。
松岡:うんうん。
有賀さん:その方が気軽に出来るし。副菜だけじゃなくて、主菜まで入れちゃって全部一皿でいけちゃうスープもありますし。そういう風にどんどん気楽に考えて行くと、そんなに家で自炊することって難しいとは思わなくなるんじゃないかなと思いますね。
松岡:鮭が丸ごと入ったスープもありますよね!
有賀さん:そうそう(笑)
松岡:有賀さんのスープの本は幅が広いので、「今日は半日お休みだから、ちょっと手の込んだのを作ろうかな」とか。
「有賀さんの『塩豚』は3日後4日後に楽しみがある豊かで日々が楽しみになるごはん」(松岡)「スープだけじゃなくチャーハン、サンドイッチ、ラーメン、サラダに合います」(有賀さん)松岡:あと、有賀さんのおかげで『塩豚』を仕込むようになりました!
有賀さん:(拍手!)
松岡:あの「塩豚のスープ」がどうしても作りたくて。『塩豚』は、豚肉に塩を塗って袋に入れて置いておくんですけど。やってみたら、「あ、こんなことか!」って感じ。
有賀さん:ものすごいかんたんですよね。
松岡:そこまで手を伸ばすのって、むずかしいのかなって思って。私は料理に興味があるから『塩豚』を作ってみようかなって思うけど。
有賀さん:人ってやっぱり自分がいつもやっていることと違うことをやるのって、ほんのちょっとのことでもすご~く大変なんですよね(笑)
松岡:なんでですかね~(笑)
有賀さん:人ってそういうものなのかなって感じていますね。でも、誰かの力、まさにレシピ本や誰か一緒にやってくれる人がいるとか、そういう人の力をちょっと借りてやってみようかなって踏み出してみると、「あ、こんなことでよかったんだ」って。『塩豚』もね、かたまり肉だから大変かなって。
松岡:そう、買って来て・・・
有賀さん:でも、全然でしょ?
松岡:そう!豚肉に塩を塗って。で、お塩の力で全然腐らないとか、失敗があまり無いんですよね。
有賀さん:そう。あとお肉がやわらかくなるでしょ、『塩豚』って。
松岡:そう、美味しくって。で、有賀さんのレシピは『塩豚』をベースに出汁としても使えるスープなんです。『塩豚』って、作っても今日食べられないから、3日後4日後に楽しみがあるというのもすごく豊かで、日々が楽しみになるごはんだなって思って。それから『塩豚』を常備しているんです。
有賀さん:ああ嬉しいですね。『塩豚』はね、スープだけじゃなくって茹でた豚肉をまた細かく切ってチャーハンに入れたり。
松岡:ああ、おいしい!
有賀さん:あと、サンドイッチに挟んだり。
松岡:ああ~
有賀さん:ラーメンに乗せたり。ほんとに使い勝手が多いものです。
松岡:ちょっとポロポロっとするからサラダにも合いますよね。豚をサラダ?って思うかもしれないけど。
有賀さん:ハムの代わりに使う感覚で使えるので。
「料理を身近にするには?」(松岡)「スープは失敗しにくい、初めての人でもうまく出来る。成功体験が最初から得られることが大事」(有賀さん)松岡:先ほどもお話にありましたけど、まったく料理をしない、外食がメイン、もしくは宅配サービスが今はあるからそれでっていう方も。もちろん、それでも十分じゃないですか、ごはんを食べてくれれば良かったりするし。だけど、私はごはんを作ることの豊かさ、自分への手入れな感じがするので、料理をまったくしない、むしろ苦手意識があって拒否反応すらある人がいると思うんです。そういう方って、何から始めて、料理というものを身近にしていけばいいんでしょうか?
有賀さん:やっぱり自分が食べたいと思うことがいちばん最初のファーストステップなんですけど、なかなかそういう風に思えないから料理をできない。
松岡:そうですよね、頼んじゃえばいいってことですもんね。
有賀さん:そうそう。今はちょっと人と一緒にごはんを食べるということが難しくはなっているんだけれども、でも誰かと食べるごはんとか、一緒に作るとか、そういうようなところから入っていければいちばん幸せだなと思います。まあ、そこは私もほんとにどうしたらいいのかなって、いつもいつも考えてます。スープというのは失敗しにくいし、初めての人でもうまく出来る。成功体験が最初から得られるということがすごく大事かなということもあって、スープでスタートするといいよとは話してはいるんです。
松岡:うん。
有賀さん:でも、「どうしても餃子が食べたいから餃子を作る!」でも、本当はいいわけですよ!
松岡:たしかに、好きな物からなら作れそうですもんね。
有賀さん:そうそう。失敗はあまり恐れないでって言ってもね。
松岡:ヤですもんね~!お仕事が忙しい中、せっかく時間を割いて作ったのに「おいしくない・・・」ってなったら、もうやりたくないってなりますよね。
有賀さん:だから、半加工品みたいな物とか、切ってある野菜とか調味料とかあるじゃないですか。ああいうものを少し借りてもいいわけですよ。あと、お惣菜にちょっと一手間かけて。例えば、買ってきた唐揚げがあるとしたら、そこに大根おろしを添えてポン酢でもかけて。
松岡:すだちも絞って。
有賀さん:そうそう。素敵じゃないですか。そういうことでも立派な料理だなって。
松岡:たしかに、たしかに。
有賀さん:そういうところから「あ、そのまま食べるより、こうやって食べた方がおいしいな」って思えたら、それってまず一歩踏み出したことになると思うんですよね。
松岡:うんうん。
有賀さん:そういうところから始めるのはいいかなと思いますね。
松岡:料理の失敗って、私も10代の頃は失敗続きでしたが、ほとんどの場合、“味が濃すぎる”という失敗だったように思います。
有賀さん:味見は何回もした方がいいです。2回までって言う人もいるんですよね。
松岡:味見をしないという人もいますよね。
有賀さん:最後はいったん、口に入れてちゃんと自分で味を確かめるというのが重要だなって。とくにスープはお鍋によって蒸発する量が変わるので。最初は薄めにしておいて、あとから足すというのがいいかなと思いますよね。味が濃すぎると、なかなか戻すのがむずかしいですから。
松岡:お湯を足すと、味がぼやけちゃうし。だから、有賀さんのレシピだったら、そもそも調味料が少なめに設定されてるから、失敗が少ないのかなと思いました。
有賀さん:味が足りないと思った人が後から足せるようにした方がいいかなと思ってます。あと、アレンジの幅をもたせたいということもあって、全体的に少し控えめになってますね。
松岡:私は辛味を入れたいとか、それぞれが食卓で自分で調理できたらいいですよね。
有賀さん:食卓に調味料などを置いておくというのはいいなと思うんですよね。足りない人は自分の欲しい味をちょっと足すとか。
「簡単に作れて一番作られているのが『豆乳と卵のスープ』」(有賀さん)「私のアレンジはナッツをすって入れてます」(松岡)松岡:このラジオで何度かリスナーさんとみんなで一緒に料理を作ったことがあるんです!
有賀さん:えっ、一緒に!?
松岡:私が家のキッチンで「フレンチトーストを作りますよ!」と言って。みんなにもパンと卵を用意してもらって。「焼きましたか~?」って(笑)でもレスポンスは無いんですけど、あるという気持ちで。で、みんなで一緒にごはんを食べるというのがすごい楽しかったんです!同じ物を食べてるって、一人暮らしだとコロナ禍で自粛の時なんかは、一人で自分で作った物を永遠と食べ続けるのって、やっぱりつらい。一人だし。同じ物を、今、横並びで食べてるんだって思ったら、すごい温かったんです!だから、ぜひ有賀さんに今、季節的に冷蔵庫にある物で、みんながかんたんに作れるスープをお聞きしたいんです。
有賀さん:そうですね。私がツイッターとか、いろんな本などで出していて、たぶんみんながいちばん作ってくれているのが「豆乳と卵のスープ」。
松岡:はいはいはい。作りました~!大好き!ぜひ、もう一度教えてください。
有賀さん:ほんとにかんたんです。耐熱容器に卵を割り入れます。
松岡:耐熱容器って何でもいいんですよ。ガラスとか金縁じゃなければ。レンジに入れられるので。
有賀さん:そこに、甘くない無調整の豆乳です。
松岡:卵はまだといでないですよね?
有賀さん:卵はそのままです。潰しちゃダメですよ。そこに豆乳を200ml入れて。カップに合わせて入れれば。卵が浸る量が入ってくれば。豆乳は紙パックで200mlで売ってますよね。
松岡:あれはちょうど200mlですよね。計るのがむずかしい人はあれを入れてもらえば。
有賀さん:それを入れたのをふわっとラップをかけて、レンジに入れます。うちのレンジは600ワットなので2分から2分半くらい。おうちのレンジによってちょっとずつ違うので時々開けながら、いい半熟加減になったら取り出します。
松岡:はい。
有賀さん:そうなると、もうちゃんと温まっているので。そこにめんつゆを大さじ1か1.5くらいお好みに合わせて入れて混ぜます。これで基本のスープベースが出来ます。ここに青ネギをちょっと入れたり。
松岡:おいしい、おいしい。
有賀さん:乾燥ワカメを入れてもおいしいし。
松岡:ああ、おいしいですね。
有賀さん:あと、うどんに入れる揚げ玉。あれをパラパラ入れてもいいし。
松岡:おいしいですよね。
有賀さん:季節の野菜を茹でた物を入れてもいいし。
松岡:余力があれば。
有賀さん:そういう風にして卵を崩しながら食べていただくと、ほんとにおいしい「豆乳と卵のスープ」に。栄養もたっぷり!みたいな。
松岡:私の「豆乳と卵のスープ」のアレンジなんですけど、ゴマをするすり鉢にアーモンドやその辺にあったおつまみの入れてゴリゴリにすって、それを上からかけて。
有賀さん:すりナッツ?すごーい!おいしそう!それはすごい発明!
松岡:おいしいです!豆乳とナッツが豆同士だから、すごい合っていて。よくナッツを食べるので、それを鷲掴みにして、入れたらおいしいんじゃないかと思って。なんか、料理が苦手だった時は「これ、どうかな・・・」って。レシピ通りに大さじ1って感じだったんですけど、今はもう「これも入れちゃえ!あれも入れちゃえ!」ってやったらすごい楽しいから。ぜひ、基本の豆乳ベースで好きな味で。桜エビを入れてもおいしいと思うし。
有賀さん:あと、ちょっと時間はかかりますけど刻んだ豆腐をちょっと入れてもおいしいですよ。
松岡:ああ~、おいしいですね。むしろ、スプーンですくったくらいの雑な豆腐でもいいですね。
有賀さん:松岡さんもイマジネーションがどんどん出てきますね!
松岡:(笑)ごはんを入れてもおいしそうですね!猫まんま、雑炊みたいな感じで。
「有賀さんは料理を頑張らなくていいんだよという料理家さん」(松岡)「自分の食べたい味をいちばん知っているのは自分。自炊はそこに近づけられる良さがあります」(有賀さん)松岡:あ、思い出した!有賀さんのツイッター上で「クリームシチュー論争」がこの前ありましたよね!クリームシチューにごはんをかけて食べていいのか論争。
有賀さん:(笑)今、ごはんにスープをかけて食べるという「スープかけごはん」というのを提案してまして。今、リモートワークでおうちでごはんをチャチャっと食べたい、3食ずっと作り続けて疲れちゃったという人もいっぱいいるので、そういう人にお鍋一つ、お皿一つで済むようなかんたんなごはんは無いかなと思って、ごはんにそのままスープを入れちゃえ、かけちゃえというのをやってるんです。クリームシチューもごはんにかけたら意外においしいんですけど、やっぱり育った環境でお行儀が悪いです、と言われてる人もけっこういっぱいいるんです。
松岡:意外と拒否反応が・・・。私は個人の好みでパンとクリームシチューの方が好きなんです。それは好きなだけで、一緒に食べたって良いじゃないのって思うんだけど・・・。
有賀さん:カレーはかけるのにね(笑)
松岡:そうなんですよ。白いだけだぞって思うわけなんですけど。視野をちょっと広げることで自分が楽になるから。
有賀さん:あと、そういう風に考えることで、「じゃあ、ごはんにもっと合うクリームシチューってどんなかな」って。
松岡:ああ!ちょっと和風な味にしちゃってもいいですよね~。
有賀さん:そう!ちょっとお味噌を入れたりするとすごくごはんに相性が良いと思います。あと、ニンニクを入れるとか入れるとがっつりした感じになってごはんにすごく合う。
松岡:うんうん。
有賀さん:そのような感じで、今度はシチューの方が進化していくのでね。食べ方が広がっていくのかなと思いますね。
松岡:有賀さんは料理家さんではいらっしゃるけれど、料理を頑張らなくていいんだよっていう料理家さんということを、みなさんにもっと知ってもらって。自分が楽になるし、自分が豊かになるし、自分の好きな味にできるし。それをもっとチャレンジして欲しいなと私は思っています。
有賀さん:自分の食べたい味をいちばん知っているのって自分だから。
松岡:うん!
有賀さん:自分の食べたいように近づけれていけるという良さが自炊にはあるので。そういう意味でも是非是非お料理をして欲しいと思っています。
松岡:そしてですね、有賀さんは「なんにも考えたくない日は スープかけごはん で、いいんじゃない?」という本が発売中ということで!先ほどお話をお伺いしたように、もっと「スープかけごはん」が楽に食べられるんだよというメッセージなんでしょうか?
有賀さん:そうです!家ごはんだから、肩の力を抜いて気楽にかんたんにおいしく食べてもらったらいいかなという本です。
松岡:ぜひ、みなさん、これを読んで料理しなきゃいけないんだじゃなくて、「料理、かんたんだぜ!」ということを共感し合えたらいいなと思います。まだおうちでスープを作らない方に向けて一言いただいてもいいでしょうか?
有賀さん:お話ししてきた通り、スープってかんたんで、失敗しにくくって、肩の力を抜いておいしく食べられるとっても素敵な料理です。1年間食べられる料理なので、ぜひ、生活に取り入れてみてください。
松岡:私も、季節の食べ物で今度夏になったら「トウモロコシかな、枝豆かな」と有賀さんの新しいレシピをとても楽しみにしています。
ゲストマンスリー~来週のゲスト:映画「騙し絵の牙」監督の吉田大八さん松岡:怒涛のゲストマンスリーとお伝えしていますが、来週もゲストがいらっしゃいます!大泉洋さん主演、私も出演させていただいております、
映画「騙し絵の牙」の監督、吉田大八さん。
私は実は「桐島、部活やめるってよ」という映画でご一緒してから8年ぶりの吉田組でございました。「騙し絵の牙」はもちろんなんですけど、“16歳の茉優ちゃん”がどんなに頑張っていたかというのを聞きたいなと思います。
◆3月7日放送分より 番組名:「松岡茉優 マチネのまえに」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210307120000