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8月27日(土)放送後記

ゲストは先週に引き続き、登山家の野口健さんです。

最上階10階にある『エグゼクティブオーシャンビューテラススイート1007号室』で東京湾を眺めながら、お話伺っています。

今週は、最も影響を受けた人物のお話から。

安藤忠雄さんに受けた影響...『社会に還元を、ガチで!』

世界各国の山々を登ってこられた野口さんが
人生で最も影響を受けた人物としてあげたのは、『建築家の安藤忠雄さん』。

出会いは、20年以上前でした。
当時の都知事だった石原慎太郎さんに呼ばれ、都庁を訪れた野口さん。

部屋に入ると、安藤忠雄さん、毛利守さんがいらっしゃり、
”宇宙””建築”"山"それぞれの分野から、
ゴミの島(現:夢の島)を森にするプロジェクトに携わることになったそうで...

野口「頼んだぞ!って石原慎太郎さんに言われて、3人できょとーん、としましたね(笑)そこから特に安藤先生とは何度もお会いして、色んな活動が始まりました。安藤先生のすごいところって、建築がすごいのはもちろんですけど会ってお話すると、自分の成功した話は、全くしないんです。それよりも、人は何のために働き、何のために金を稼ぐのか。そしてそのお金を何に使い、何を残すのかっていう話を30年近く、ほぼ毎回会うたびにそういうお話をしています。」

野口健『人生で最も影響を受けたのは、安藤忠雄先生』の画像はこちら >>

御年80歳の安藤忠雄さんは、大病をされた経験もお持ちですが
野口さんを圧倒するほど、常にパワフルでいらっしゃるとか。

野口「安藤先生と奥様と一緒に食事をしていた時、安藤先生がお手洗いに行かれたんです。奥様に、先生はいつもお元気ですねって言ったら、『あの人は人前ではそうなんです。』って。毎朝起きたら、体調キツイんでしょうね、それでも必ずボクシングのDVD1時間見て、なんとかテンションを上げて、それで事務所に行って、人前でドーン!と。」

体調が厳しい中でも仕事を続け、世界を舞台に活躍。
さらに、図書館「こども本の森」を大阪や東北に寄付するなど
未来の子供のための活動も続けています。

野口「そんなに自腹で図書館作ったりしてて事務所大丈夫ですか?って聞いたら『いいんだよ!俺の需要が尽きた頃に、うちの事務所は倒産すればいい』って。全部稼いだお金を社会に還元していきたいって、それをガチでやっているんですよ。僕がヒマラヤで学校作ったのも、安藤先生の影響が大きいです。」

野口健『人生で最も影響を受けたのは、安藤忠雄先生』

やっと時代が追いついた!古民家と都会の二拠点生活

野口さんは現在、山梨県の築およそ300年の古民家を改装し
2017年から、山梨と千葉との二拠点生活を送られています。

要「それも安藤忠雄先生の影響ですか?」

野口「ゼロじゃないんですけど...5、6年前に自分の事務所を河口湖に移したんです。ただ、東京と河口湖は遠いので、中間を探したら両方とも1時間くらいで行ける、大月市に空き家バンクっていうのがあって。そこで古民家を見つけて、実際に見に行ったら、家具もない、何もない。この色がないところに、自分流に色を足したらどうなるかなって思ったんです。賃貸なんですけど、大家さんともウマが合って、好きなようにして良いって言ってもらえて2年半くらいかけて大工さんと相談して作り上げました。」

近藤「古民家で一番こだわった部分はどこですか?」

野口「僕アンティークが好きで、アフリカで200~300年前の扉を買ったんです。それを古民家の土間の壁に埋め込んでみたら、意外と馴染んだんですよ!」

近藤「今もそのお家は進化中ですか?」

野口「あのね~2階がね!でも、カミさんがいい加減にしろって(笑)蚕を買っていたらしくて真っ暗な巨大な部屋なので、シアタールームっていうのもいいよね。」

今も進化を遂げる?!野口さんの古民家は、野口健さんのyoutubeチャンネルやtwitterで見ることができます。
ぜひ、生き返った空間をご覧ください。

野口健『人生で最も影響を受けたのは、安藤忠雄先生』

コロナ禍で、以前よりも注目されるようになった、二拠点生活。
しかし、野口さんが事務所を河口湖に移転された5~6年前は、多くの反対があったとか。

しかも移転した場所は、明治20年前後に建てられた木造の学校をリフォームした建物でした!

野口「当時は散々、仕事が減る、減るって言われました。

でも、1年前くらいには、アミューズの会長さんが僕の事務所にいらしたんですよ。ついにデビュー?!と思ったら(笑)、僕の事務所の横の土地全部買ったって!そしたら、本社を移すって言って、びっくり仰天しましたね。世の中がそうなったんだなって思いましたね。この数年間は特に、日常と全く違う空間があるっていうのは精神的にも良いですよ。でも、冬は寒くて、家の中でテントしたり、寝袋で寝てましたよ(笑)」

古民家では生活感をなるべく無くし、日常から離れた時間を過ごすように心掛けているそうで、原稿書く際には、古民家に行く、と決めているとのこと。

野口さんのお隣さんは、90歳のおじいさん。
地元の方々とのコミュニケーションも、気持ちが落ち着き仕事のパフォーマンスもあがってくるそうです。

野口健『人生で最も影響を受けたのは、安藤忠雄先生』

野口さんの人生の要とは?

最後に、野口さんの『人生の要』について伺いました。

野口「今、いろんな活動をしている中で、『なぜ登山だけじゃなくて、他の活動をするのか』って聞かれるんですけどシンプルに、現場に行って、見て知ったことを背負っていく、というところがあってね。だから、人生の要は、『現場』じゃないかな~。」

要「先週で49歳を迎えた野口さん、どんな現場に向かいたいですか?」

野口「まだ、マナスルが残ってるんでね!いつ行くかですよね!今年の秋に行こうと思っていたんですけど、一緒に行く予定だった相棒が遭難してしまったんで。それで1回やめようと思って...来年マナスル再再再挑戦しようかな。」

近藤「楽しみですね!」

野口「たのしく..ないよ~?(笑)とっても大変な山になることは、分かっているんで(笑)まぁ、でも。最後にマルをつけたいんです。」

野口さんと、娘の絵子さんとの共著・対談本
『父子で考えた「自分の道」の見つけ方「正解」を選ぶのではなく、選んだ道を「正解」にすればいい!』が現在発売中です。

無事にマナスル登頂を終え、またお会いできるのを楽しみにしています。
4週にわたり、ありがとうございました!

野口健『人生で最も影響を受けたのは、安藤忠雄先生』

OA楽曲
GOODDAYS/SZA

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